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第四回議事録

第四回PETボトル入札制度検討会 議事録

1.日時

 2013年8月30日(金) 14時~17時

2.会場

 公益財団法人日本容器包装リサイクル協会 大会議室

3.出席者

 pdfファイル委員名簿【PDF】

4.議事内容

議事(1)第三回検討会後の各委員アンケートの内容報告

 (資料1)pdfファイル第三回PETボトル入札制度検討会 事後アンケート集約表【PDF:134KB】

 (資料2)pdfファイルフォーミュラ方式適用例【PDF:1713KB】

  • 委員長:アンケートの内容をみていくと、最初はフォーミュラ方式もよかれと思っていたがよくよく考えてみると×が多く、この中では年二回入札方式は〇というご意見が多い結果となっている。
  • (意見):下落時救済型価格フォーミュラ方式に○をつけたが、リサイクルの流れの中で、市町村・リサイクラー・利用事業者があるときのキーマンはリサイクラーだと思う。ここで滞ったりせず、いかにスムーズにさせる仕組みが必要と考えた。
  • 委員長:多様な意見が出たほうがありがたい。リサイクラーが要であるのでそこを救済するためにはこれがいいのではないかという直観的なご意見でよい。逆に言えば皆さんは実情を知り過ぎているので妥当な打開策を最初から考えてしまうので、そういう意味では違った意見もあるのはよいこと。

議事(2)平成25年度下期落札価格結果の概要説明

 (資料3)pdfファイル平成25年度下期落札結果と分析【PDF:412KB】

  • 委員長:本年度下期価格が上がった。上期が低かったので取り損ねた再商品化事業者が頑張ろうと入札価格をあげるというのは割と想定された動きだと思う。年二回入札方式だからという事でもないだろう。国際PET樹脂市況との連動性から見てもさほど大きな異常値ではなく今回の上げ幅は想定内。
  • (質問):2点質問。一つは、非落札事業者数が平成25年度の上期は6社、下期は12社とあるが、この6社と12社は重なっているのか?
  • 事務局:うち4社が上期も下期もできなかった。上期は取れたが下期取れなかったところが8社となる。
  • (質問):もう1点の質問は、「入札時に再生処理業者は再生処理費、運賃、製品代を入力し」のところで、その下に「この製品代は引取り同意書の販売価格と大きく異なることは無い」と書いてある。一方「再生処理費」というのは積算した根拠ある数値なのか?それとも入札予定価格を決めたあと結果的にでてきた数値ということも考えられるが。
  • 事務局:入札価格は、再生処理費・運賃・製品代から構成されており、入力されたものをそのまま使っている。調整部分として入力されていることも考えられる。
  • (質問):落札結果ですが、25年度の上期と下期では、下期の落札単価が倍以上になっている。これは入札される方が市況の状況を考えて、市況が好転したと判断して入札価格を上げたと単純に理解していいのか。もし仮に25年度が従来どおり年一回だったとしたら、普通常識的に考えれば上期落札価格の-21,278円が、年間通した落札価格になるのか、それとも安全性を考えてもう少し高い金額を入札するのだろうか。その傾向を知りたい。
  • 事務局:今年初めて年二回入札を実施したので傾向はわからない。事業者が入れ替わった保管設備が多くなったとか、大手の比率が上がったなど、付随した情報が何かの手がかりになるかもしれない。
  • (意見):市況価格を読んで入札できるのであれば、明らかに年二回入札にした効果がここで出ていると思う。それは不利にならない状況で皆さん札を入れているはずなのでそれが読めるのではないかと思った。また、たまたま今回は上期が低く下期が上がっているが、仮に上期が高く下期が下がった場合、上期の金額-48,256円をそのまま通したら24年度のような混乱は生じるのか?それは年二回入札の効果検証になるのでは。
    仮定ではあるが、価格が倍以上になっているという状況が年一回の状況で起きた場合、市況が変動している状況の中で札を入れているのだから、この場合問題が生じるのか、一定の範囲内に納まるのか。
  • 事務局:昨年24年度は高い状況の中でスタート直後に下落があった。そこで混乱が起きて再選定して振り替えたが、その際価格は相当下がった。下がった状況下での入札だった。そういう意味では連動するのだろう。
  • (意見):私も同感。平成25年度は上期から下期にバージン価格が上昇したパターンであったが、逆にバージン価格が下がったパターンはまだ無い。仮に今のバージン価格が下がったときに本当に入札価格が下がるのかは非常に疑問である。私が今まで感じていたのは、入札単価はリーマンショックと24年再選定以外は下がっていない。いつも入札を行うたびに少しであっても上がっていく。そして何か大きな問題があってどーんと下がって、その次はまた少し上がる。今また次をやっても上がるだろう。バージンの状況がどうなるかはわからないが。というのは入札時に再商品化事業者は値段を上げることには積極的で上がる要因を常に探す。下がる要因はまったく話に出てこない。今回、上期は昨年問題が起きたので怖くなって下げたが、下期になって同じ状況に戻ってきたのでは。バージンが下がった場合はどうなっていたかはわからないが、単純に下げてくるとは考えにくい。
  • 委員長:もし国際PET樹脂市況の情報があって、その情報がすべからく全ての事業者に与えられていたら連動して下げるということも有り得るのでは。
  • (意見):再商品化事業者は皆さん国際PET樹脂市況の情報を持っている。だが、入札価格は下がらない。それが平成24年度に起こったと思う。
  • 委員長:今、それを牽制すべきかどうかと話している。基本的にはわかっていても下げないという業界体質があるということか?
  • (意見):その通り。24年度は、23年度の入札時と比べても若干下がっているにも関わらず上がっている。その後、期中にどーんと下がったので対応できなくなった。24年度の納入先に至るまでが結局は高値で入れないと物が取れない状態となり、それがどんどんエスカレートしていった。
  • 委員長:今ご指摘頂いたのは下がるときに下げないという業界体質があるご意見だったと思う。それが良いか悪いか、或いはそれを私達はシステムとして許容しておくべきかどうかとは次の議論になると思う。

議事(3)平成26年度以降の入札制度についてのとりまとめにむけた討議

  • 委員長:今回と次回で26年度以降の入札方法を決めていかなければいけない。
    アンケートに戻るが(1)~(4)の方式が出ていて、(4)年2回入札方式がよいのではという意見が多かった。
  • (意見):確かにアンケートでは、年二回入札方式に○が多いが、それは半年間の間に何が起きても何もしないということか。例えば溢れて辞退するところがあれば、そこはルールに則り処するということか。
  • 委員長:そういった変動を、年二回方式にすることによって少しでも後からリカバリーができるのでは。当初私たちは価格フォーミュラでいいと思っていたが、委員の方の説明にあったように分析してみると、価格フォーミュラ方式は期待したほど寄与しないということが分かった。
  • (意見):年二回入札方式が良いかについては我々の印象的な解析ではおっしゃる通りだが、再商品化事業者は年二回ですら強い抵抗感がある。入札回数が増える事によっての負荷が大きいという声が多い。
  • 委員長:第一回検討会やWGでリサイクラーに聞いた話からは、主に事務コストがかかるという話。
  • (意見):2点ある。コストや手間暇の問題と、入札回数増が入札価格の高騰を呼び込む、取れなかったところが、無理やり取りに入るとことが連鎖的になるのではという危惧。
  • 事務局:コスト自体もあるだろうし、取れたり取れなかったりする事による人の手当、経営状態が不安定になる事。1年間でもやりくりが大変なところに半年に1回取れないリスクがあるとさらに大変というご意見は確かにある。
  • 委員長:まったく取引の無い新しい自治体に新規で、ということであれば確かにコスト増はあるだろうが、かつて入っていたところはさほどコストはかからないのではという意見も一方ではある。一概にコストがかかるとはいえない。もう一点、年二回で価格高騰の要因になるという話だが、年一回でも同じこと。昨年取れなかったから今年はより高値で絶対に取るようにと上げていくと思うので、年二回だからより価格高騰というのはないと思うが。
  • (意見):今回年二回にトライされたが、私としては新たな判断要素が入札過程に加わったという印象。先ほど事務局が分析されたような安全サイドのような入札、なぜなら年二回あるから(もう一回あるから)今回は保守的にいこう、逆に今回取れなかったから次は積極的にいこうという事業的な判断が、年一回の時よりも強く感じられた。その点と市況価格の関係をどうみるか、新しい要素として見ていく必要がある。
    入札者であるリサイクラーの判断要素がより複雑になってきたということ。深読み度が増してくる。それは良い面もあり、逆に価格が正当に入札されないような結果も招き兼ねない。
  • 委員長:戦略的になるということは、経営者として当然。リスクとして年に一回のリスクを考えるか、年二回でより価格が下落した時に傷を負うのが半期で済んでしまうシステムができたときに、より戦略的な思考方法が経営者として必要になる。
  • (意見):その通りで、より戦略的なマーケットが形成され、自由競争が反映される。良い面を挙げればその点。
  • 委員長:法学的にシンプルに考えてみると、独禁法的観点からもより自由な競争で経営者が戦略的なほうが望ましい。あまり保護的に走らない。ただそれではまずいというご指摘があれば考える。
  • (意見):単純に他事業者との競合のみで価格を入れるのではなく、自分の事業の経営戦略の中で年二回ならば一回目はこうしよう、二回目はこうしようと、相場とは違うところの動きが今回は見えたのは良かったのではと思う。ただし、先ほどもご発言があったが、二回入札という形で入札回数が増えることは、リサイクラーにとって実務上の負荷が非常に高まるという点では、導入には慎重な判断を要する。
  • 委員長:フォーミュラ方式が良いのではないかという方はいますか?
  • (意見):こだわるわけではないが、そもそも当検討会は昨年秋に発生した混乱状態の再発防止対策として制度そのものの柔軟性確保のために始まっている。複数回入札であろうが市況連動性であろうが、どのようなシステムなら昨年の秋を乗り切れたかというシミュレートがあるべき。またどういうシステムにしても法律に抵触しては元も子の無いので、独禁法への抵触の可能性への議論も必要。
  • 委員長:独禁法抵触の可能性はリサイクルの問題は常に内包している。仕組みの作り方の問題もあるが、元々リサイクラーにより良い方法を考えると、どうしても独禁法に抵触する可能性がでる制度を作らざるを得ない。厳密に言えば、救済はせず自由競争なので自分たちの才覚で年一回今まで通りやっていこうというのが一番独禁法には抵触しない。だがそれでは困るなら、ぎりぎりのところだがより主旨に抵触しない方法を諮ってみようという事になってくる。その中で、価格下落時だけ救済するのは独禁法上、かなり難しい。
  • (意見):今回の検討から見えたことは、市況に連動して入札価格が決まっている部分と、他の事業者がどう行動するからと戦略的に動いている部分と両方あるのが最初の印象だったが、話を聞けば聞くほど戦略的に動いている部分が強くなり、結果的には入札価格というのは相場変動とは違う部分で決まっているのではという印象が強い。中長期的には需給バランスも含めた事を検討する上で、それが短期的には難しいとするならば、少なくとも完全連動型フォーミュラではなく複数回入札等する中で、入札側のリスクを少しでも減らす形の取り組みがよいのではないか。また前回の検討会の中で挙げられた4つの入札方法案の中で、急落時緊急発動方式にはまだ私自身引っかかるところがあり、引き取り辞退をした事業者にどうするか、一方で物が止まったことを全体でどう対応するかを分けて捉える必要がある。個人的には、事業者への対応は救済措置のような甘い形でする必要はないが、一方で物が止まってしまっては困るのでそこは別途考える必要がある。事業者への対応を甘くしてしまうと、前回のアンケートの中で他の委員が指摘されたようなモラルハザードが起こってしまう可能性もある。
  • (意見):ごもっともなご意見。私ももともと当検討会で、こういう問題が起こらないような入札方式を考えようという発想からすると、急落時緊急発動方式を考えること自体は別の場面ではないかという意味合いで×にした。例えば年二回やっても途中でリーマンのようなことが起こることは有り得る。この場の議論ではないとは思うが、救済という考え方ではなく、溜まったものをどうするかを別途考える必要がある。
  • (意見):基本的に流通をスムーズに行うという制度を作っていく事が肝心だと思う。当然流通をスムーズにさせるところを更に拡大し質も高めていく際にリサイクラーが経営破綻すれば元も子もないので、そこは自ずとリサイクラーに対してどういう対応を謀るかというのが出てくると思う。
  • 委員長:そういう意味では緊急時、下落時の対応方式もいいのではというご意見ですね。
  • (質問):二枚目のグラフ(入札時構成要素と国際PET樹脂市況価格の状況)だが、入札価格の単価は再生処理費と運賃をプラスしたものから製品代を引くと、再生処理費も運賃もほとんど変わらない中で、ほとんど製品価格の上下で説明される。製品価格とは?客観的売値の数字は出るのか?売値に合わせてある程度マージンを乗せるような形で再生処理事業者も自動的に入札価格を計算するのではないのか。
  • 事務局:再生材のフレークなどの売値を再生処理事業者が想定して入れたもの。マージンを別立てした構成にはなっていない。
  • (質問):しかし再生処理費と運賃は年度別に時系列に見てもほぼ固定されている。
  • 事務局:再生処理費は上下している。運賃だけが固定している。
    これは全て事業者60数社が入力したデータを合計して計算されている。
    事業者の意志の総意の表れだろうが、個々にみれば色々あるだろう。
    処理費は処理コスト、製造でいえば製造コストのようなもの。20円/kg程度ふれている。事業者によって違うだろうが、本来はそんなに年度ごとに変わるものではない。客観的にみてこれはおかしいという売値は入れられないので処理費で調整し、結果としての入札単価を上げよう、下げようという形ではないかと思われる。
  • (意見):元々この業界のリサイクラーは過当競争の中にいて、その中で量を確保するために無理な入札に走る傾向となっているようにみえる。リサイクラーの安定性から考えると年複数回入札になればなるほど通年を通した事業経営ができないデメリットがあるにせよ、システム全体から言えば引き取り量が半分になるので少しはリスクヘッジできるのではないか。当面、年二回で運用し、状況を確認しながら問題があればそこでもう一度制度設計を考えていく方法で、年二回で様子をみるのが妥当ではないかと思う。
  • (意見):入札制度そのものは当然リスクが伴うのでそれが合理的な範囲内なのかどうかということだと思う。一回だからわからないといっても、25年度の上期と下期の結果をみても何らかの市況に変動した反応は出てきていたと感じる部分があるので、二回でいくのはいいのでは。ただ、二回で解決できない問題が生じるのならその時に考えるべき。今は二回で対応できるのではないかと思う。
  • 委員長:全体的に言えばこの業界は普通の市場とは異なる、普通の入札制度とは異なった部分がある。先ほど「思惑」という言葉が出たが、普通の経済的な感覚からは「戦略」だろうが、ここでは「思惑」と言われてしまう。過当競争ということもあるが、やはりどこかお互い疑心暗鬼で相手の出方次第で綱引きをするところがある。それはそれとしても、ルールとしては公正な市場経済構造ができるようなシンプルなものをしていきながら、経営者の戦略で勝敗が決まっていくような形になってもらいたい。ただ、物が流れないのは困るのでここの救済は別途議論するところだろう。
  • 主務省庁:まさに議論したところだが、年二回にすることに対しリサイクラーから否定的な意見はあるが、今までが年一回だったところを年二回にするということは当然手間が増えることだろう。一方で、他の市場では年二回で取れるか取れないかというような事が当たり前のように起きていて、仮に取れなければ事業戦略を転換したり、或いは年二回の入札になってしまったからには今まで通りのおいしい市場でなくなったから撤退しようとか、この辺がある種年二回という市場を形成する事によってその中で戦略を立てられる人だけが残っていくということもある。一方で、これが世の中的にどうみても参加する魅力がなく誰も引き取り手がいなくなるのならそういう市場は適切ではないと思うが、他の市場と比べてもそういった企業が生き残るという事であればそれは一つの方策なのかと思う。
  • 主務省庁:入札はリスクを伴うもの。そこを二回にわけることである程度緩和できる。なんらかの事情で実際の制度に不都合が生じるのならそれは別途違うところで議論をしなければならないと思う。
  • 主務省庁:両省が言ったとおり。この問題はリサイクラーの構造的な問題と入札のテクニック的なものが絡んでいるが、年二回入札ということであればそれに対処できるのではないかと思う。
  • 委員長:今回で結論ということではなく、リサイクラーの不満であったり、充分に審議されたのかという懸念はあると思うので、次回までに私どもで今まで検討会の中でフォーミュラ方式は期待していたほど実情を反映するものではなくむしろ価格が上がったときに返さなくてはいけないと事もあるなど、丁寧にリサイクラーに報告をしていかなければならないだろう。
  • (意見):くどいようだがリサイクラーに対して、昨年の秋に何が起きたかから出発して現状我々が捉えている市況連動性では乗り切ることが難しかったと証明すべきである。ワーキングでリサイクラーから出た話でもあるが。国際PET樹脂市況からみれば20~30円/kg落ちるところが、昨年の秋についてはその倍くらいの価格が再生材料としては下落した。異常事態である事は間違いない。我々が現在客観的に市況を捉えられるのはバージン樹脂の市況価格だが、市況というものをバージン市況だけで見ているだけでは対応できない。かといってバージン価格の変動幅に何がしかの係数をかけて契約価格を変更していくのはやりすぎだろう。一番市況連動性について難しいと思うところ。いずれにしても昨年秋をどう解析し、それを乗り切るためにはこのシステムでは過不足有りという事は証明をする、それを丁寧に説明できるところまでは入札制度検討会の責任範囲だろうと考える。
  • 事務局:今の話で、昨年どういう対応したら乗り切れたかというシミュレーションは何か具体的にこういう指標を取ったらいいとか、こういう方法があるとか、どういったイメージをお持ちか?
  • (意見):市況変動の客観指標をバージン価格に求めるというところは一応ゴール。それ以外には客観市況は求めようが無い。国際PET樹脂市況のバージン市況の変動幅をどのように契約価格の変更に移行すればどうかをシミュレートすればよいと思う。
  • 委員長:それは検討会の一回目か二回目で提示していましたが。そこのところを丁寧にやればいいのでは。国際PET樹脂市況と連動されたグラフがありましたよね。
  • (意見):そこまでは作れるわけです。実際の再生樹脂の市況がバージン市況の変動以上に大きく下落したにも関わらず、市況連動性というものが作れるのか否か。多くのリサイクラーがそれをどう受け止めているかわからないが、市況連動というものを非常に期待している。
  • 委員長:期待しているということだが、期待できないと言ってあげる必要があるということですね。価格が下がったときだけではなく、上がった時に返さなければならなくなることをきっちり説明する。今の話だが、連動よりもさらに下落するのは、結局は思惑がある、そういう市場だからだろう。
  • (意見):それも解析しなければならない。本当に買い手だったり、必要以上に影響を受けた再商品化事業者の思惑だったのか。どう調べればいいかわからないが、昨年の6~7月に恐らく難しい状況が起こるだろうと察知できたが、処置は9~11月にかけてとなった。この期間が長すぎたがために利用市場の思惑がより大きく作用した感がある。例えば異常事態を7月に察知して、この市況連動の中のどれかを即作動させたとすれば昨年ほど大きな混乱にはならなかったのかもしれない、といったシミュレーションが必要だということ。
  • 事務局:一つ、実績を分析してみた内容が、昨年非常に販売が落ち込んだのが6~7月あたり。リサイクラーの先に利用事業者があるが、大手二社くらいの動きが全体に影響しているという事が実績としてある。そこを掘り下げるのかどうか。私見だが、リサイクラーと利用事業者の間の値段の見方、或いは利用事業者(ユーザー)がこの先もう少し待ったほうが安くなるのではと買いを控えるとか、リサイクラーが売り控えとか、これは民間企業では普通のこと。そこについて制度やルールを決め対応するのはふさわしくない。
  • 委員長:とにかく、あるべきリサイクルの回り方はどういうことか。どういうリサイクラーに残ってほしいのか。今が健全な姿なのかといわれると若干疑問がある状況の中で、多少リスクがあっても思惑で動かざるを得ないことをより少なくするために年二回にしつつ、尚且つそういうリスク的な動きをしなくても健全な戦略的な範囲での情報の出し方などについて何かカバーできる方法があるのかというのを細かく見ていくという手はある。

議事(4)ワーキング(WG)の検討内容の中間報告

  • WGリーダー:WGとしての明確な方向性が打ち出すのが難しい状況であるため、今しばらくWGは続行させていただきたい。まずは、WGの基本認識は検討会の選択する複数回入札、または市況連動制の何れかであるにしろ、過当競争気味になっている入札そのものへの緩和策を相まってシステム化しないと持続的な安定性は確保できないだろうと認識のもとにWGを作り議論に入った。
     その他プラで運用している総合的評価方式は、再商品化事業者の選定や落札可能量の調整について、リサイクラーをある評価基準で成績評価している。だがPETボトルの場合、現在のPETボトルのリサイクルの品質そのものに大きな過不足はないため、リサイクラーを評価する内容は、今後に渡ってより安定的なPETボトルのリサイクルはどういう姿であるのかという将来性について評価軸を定めていくことになる。こうした認識のもと、具体的な緩和策について、総合的評価制度の中の評価軸、評価項目の定め方、評価項目ごとの重みづけについて議論し制度設計していこうというところまできた。
     第三回WGでリサイクラー6社を招き意見交換を行った結果としては賛否両論あった。反対の意見としては、総合的評価制度における緩和策というものの運用において公平性・公正性がどこまで担保されるかが心配である。また、PETボトルの場合の評価項目・評価軸の定め方がそう簡単なことでない。もう一つ、将来性においての評価軸となった場合、設備対応能力の低い中小の再商品化事業者にとっては不利に働くことになるというご意見をいただき、より慎重な姿勢が求められることとなった。現在入札において再商品化事業者が本当に過当競争という状況にあるのか、放置した場合にシステムとして致命的状況に陥るのか、その面からエビデンスを背景とした説明責任が必要になってくる。さらには、公益性の高い容リ協の介入は、現在の自由競争での入札に競争制限的に介入するということにも外部からは見られる。そこが法的に許されるのか。そういった事が公益性を追求するという事だけで乗り切れるのか。この辺の論理的構築をしっかりする必要がある。過熱気味の入札制度の緩和策の制度設計をどうするのか以前に、その緩和策が必要とされるという論理構成の構築そのものをWGで先に済ませるべきなのではないか。このような事が第四回WGで議論された。総合的評価というものの中身の具体的な協議に入る前に、整理すべきことがある。その議論を早急に進めるためにもWGはまだしばらく続行したい。
  • 委員長:WGでは、総合的評価の検討に入る前の段階の状況について整理をしていくということですね。
  • WGリーダー:そうです。ただ、今委員の皆様からご意見をいただいたのは、再商品化事業者を客観的な評価軸で評価することも必要だろうという意見も多くあった。
  • (意見):PETボトルリサイクルをどうあるべきかが前提にないと、なかなか議論が深まらない。海外流出も、国内循環でどう循環させるのか、循環させるならばどういう形でリサイクルしていくのが妥当なのかも前提としてあった上で、そちらに誘導していくための方策を考えるのが良いのではないか。中身は細かくはわからないので一般論にはなるが、そのような印象を受けた。
  • (意見):国内循環すべきだというのは循環基本法でもあるので国内利用を評価軸の一つとするとすることに問題無いだろうが、リサイクルの用途で良い悪いというのは評価としては難しい。では、製造過程におけるLCA的な部分での評価というのは客観的にできるだろう。どうあるべきという事も重要だが、やはり過当競争という意味で、市民の税金を使って回収したものが安い原料として海外に流れているのは、国の制度的にきちんとした対応すべきでは。国内で循環すべきだということは循環基本計画でも謳っているので、義務というのは難しいとしても制度設計を国のほうへお願いをしたい。環境省の循環交付金は、市町村が策定する地域計画に基づき交付することとなっており、その地域計画で国内循環を評価し、交付率に差を設ける等の誘導策もあるのではないか。もう一点、別件だが、最近サントリーがボトルを再生樹脂でという報道を見たが、あれはこの容リ法にどう影響があるのか?かなりの量を使うという報道だったが、あれは容リ法の中のものを使うということか?
  • WGリーダー:現状サントリーはそう言っている。それはそれで有難いことでもある。ただ、現在容リ協ルートに引き渡される市町村の収集量は約20万tでほぼ変わらない。その再生利用先として新たにBtoBが入ることは、より競争を促進させてしまう要素ともいえる。だが、私どもが特定事業者として水平リサイクルでありBtoBというものを技術的にもしっかりしたものを作っておかなければいけない。PETボトル販売において、リサイクルをして再生化されたものが再びボトルに戻ってくる事になれば、再生利用先が将来的にも全く心配のない世界になる。ただし、国内循環の量をもっと拡大する方向で処置をしておかないと中の競合状態というものがより加熱する方向でもあるというところの微妙なタイミングになる。
  • (意見):WGの中でリサイクラーが強く言っていたのは、これは一つの資源戦略の一環なのだと、PETボトルは貴重な資源であると。それが中国に流れていくという現状も一部にはある。やはりそこの有るべき姿というところで、一つの貴重な国内資源として捉え何が業界として、制度として必要か、そこを慎重に考えて欲しいと。各社多くのリサイクラーが出席していたが、地域も規模もキャパシティーも違う多様な中でそれぞれの思いの視点が異なる。その中でどうしても優先順位づけするなら、資源としてあるべき姿、国策の中でPETボトルのリサイクルをどう考えていくか、優先順位づけはかなり慎重にやらなければならないと考える。
  • (意見):話は戻るが、自由競争でついていけない会社は淘汰されるというのは、私的には24年はそうだったのではないかと思う。ただ、24年度は年に一回であったということで救済措置があったが、今後年二回にしたときは何もしないと。では本当に何か起きたときに先ほどの話だと何があってもルールを守る。ということは、24年度救済措置を行われた時に懸念された、次年度に処理能力が減るのはどうなるのか。あと、辞退して溢れたものはどうするのか。そこは年二回にするにしても議論する必要がある。
  • (意見):今のご指摘は、別途検討が必要だろう。ただ年一回入札に比べ明らかに年二回のほうがそうしたことが起こる確率が非常に減っているはずなので、そういう意味では大きな前進。極力無いほうがいいわけだし、あまりそのことだけを考えていくと救済の色合いが強くなるだけ。
  • (意見):総合的評価制度に関しては、PETボトルのリサイクルをどのような方向性に持っていくかというところの議論抜きには考えられないので、恐らくここの検討会の中でそこまでやるのは非常に難しい。そこはしかるべきところでやっていただく方がいい。ただ、今回複数入札ということで25年度に二回入札にしたが、そこを昨年度と比べたときにどう評価するかはこの検討会の中でもう少し議論すべき。例えば、先ほど質問した落札できなかった事業者の数に関してだが、上期・下期両方落札できなかったのが4社ということで、24年度の7社から25年度は4社に減ったと捉える事もできるし、たまたまそうなったという事なのかもしれないし、そこは議論が分かれるところかもしれないが、そこも含め二回やったことによってどうだったのかというところも検討したい。また、昨年度の対応に関連して引き取り義務辞退の対応だが、そこをどうするのか。昨年のようにペナルティを軽くするのかどうかによって入札側の思惑が変わってくる。そこのところはこの検討会の中で議論できるのでは。
  • (意見):検討会として必ずやらなければいけない事は、せっかく本年度、年二回のテストランに入ったのだから、この状況をスムーズに乗り切れるのかどうかの検証はこの検討会で行われるべき。もう一点(3)急落時緊急発動方式であれば市況連動として考えられるというものをひとつ作り上げ、それを昨年の秋へのシミュレート、またはその方式について現在の再商品化事業者がどのように考えるかという対話をしてみる、という事を提案させていただきたい。
  • 事務局:ただ、急落時対応型をフォーミュラ的にシミュレーションするのか、24年度はまさに急落で再選定ということをやった。ひとつの選択肢だと思うが、その急落時にフォーミュラを適用というのは予め条件を決めて自動的にそこに到達したときに導入する仕組み。それ以外に何らかの基準に到達してこれは大変だとなったときには自動的ではなく在庫などの総合判断の中でやっていく仕組みもあると思う。先ほどのいくつかのシミュレーションの中で見えてきたところは、それをやっても必ずしも回避できない。自動的にセットするのかこうなったときに導入するのかの違い。
  • 委員長:そこを改めて、また整理して最後にまとめとして出す。リサイクラーに納得してもらわなければならないところなので、そこを既存資料の中で整理していく。
  • 事務局:この検討の中で先ほどの総合的評価をはじめとする一つのどういう方向のリサイクルを目指していくか、この要素は慎重に検討していかなければいけない。そういう状況下を外して考えると、そもそも入札というのは公平であり公正であり自由競争というのが本来外してはならない仕組みなので、その原点に立ったときに、プラやガラスのような逆有償の世界、それの販売価格、紙・PETボトルは1年とかからないサイクルで上がったり下がったりしている。これが今現在は年1回という入札の中で価格軸で決まっている。そういった意味では、これだけ相場連動があるのにPETボトルに関しては年一回のままではとてももたない。逆に公正な競争が担保できないということが見えてきた。ただ「自由競争も担保しながら」ということを考えた時に、今回の下期考察の中で、かなり自由な判断の中で相場を見通しながら、今までは1年のリスクだったものが半年という相場変動の範囲で検討できるというのは従来に比べれば数段リサイクラーにとっても入札しやすい環境になったと思う。
  • 委員長:最後に私からの意見を。今回この検討会をさせていただいて非常に強く感じたのは、リサイクラーは重要なキーであり、彼らが上手く動いてくれなければ循環型社会自体が壊れてしまうということはある。しかしながら、彼らはシミュレーションや総合評価に過度な期待を抱いている印象を受ける。つまり自分たちに都合のいい総合的評価の軸が出てくるから総合的評価がいいなとか、自分たちに都合がいいほうに動いてくれるからこういうシミュレーションがいいなというようなところがあるのではないか。それに対し、そうではなく市況連動にせよ総合的評価等にせよ一律公平な制度となった場合、不利な事もあれば良いこともあり、資源性や公益性が必ずしも自分たちの会社にプラスに働かないことを丁寧に説明しなければならない。その為の方法として、まずこの検討会として本年度の二回入札の効果について精緻に分析をやらなければならない。そこを斎藤先生に次回までにお願いしたい。アナリストの委員の方にもお知恵をお借りして年二回入札の効果については絞り込んでいければと思う。平成24年対応に対しては今までの議論の整理を事務局で丁寧にやって、市況連動性はあまり機能しないというシミュレーションについては説明する。
     次回のところでは、大前提としてまずパイを拡大する、それから循環型社会の中で今過当競争になっている現状を回復することが大事であることを整理し、そこを前提としてこの議論がある形で整理をする。この3点をやったうえで、年二回のメリットデメリットとしてこういう事が考えられるという形でまとめればいいのではないか。大切なことは、健全な市場に健全に戦略的に動ければいいところを価格以外の思惑があまりにも入り過ぎてしまうことがすっきりしないところ。そこを今言った3点を提供することによってある程度すっきりさせながら大枠を作っていけるような方向を最後にまとめていきたい。
     この方向性でまとめていくので、委員の皆さんは何か特に強調したい点や今までの議論を総括した形でのご意見を事務局まで提出して欲しい。この問題は、非常に利害に係ることであり大変センシティブな話である。そのため、精緻に説明する必要があるし、誤解を招きたくはないので、もう一度各業界団体の委員の方から今までの議論の最後のまとめに向かって整理したペーパーを出して頂き、それをリサイクラーへの説明材料に使いたい。
  • (質問):利害が発生するというのは再商品化事業者の利害ということか?
    再商品化事業者にこの議論の内容や方向性を打診するタイミングは?
  • 委員長:検討会が終われば当然情報公開という形になる。
  • 事務局:出席いただいた6社にはご協力をお願いした経緯もあり、意見を聞きっぱなしではなくフィードバックする機会はここ一ヶ月くらいのうちにどこかでもちたいと思う。
  • 委員長:次回の検討会が9月ということで、その間に可能な限りリサイクラーとコンタクトを取っていただきながら私達の議論はこういう形で進んでいるということでご理解を頂くようにこまめに情報提供していくという事は先日事務局のほうへ話をさせていただいている。

次回9月26日(木)15:00-

以上

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