令和5年4月20日更新
1.プラスチック製容器包装ベール品質調査結果の概要
(1) 調査期間:令和4年5月~令和5年3月下旬(実施743件、未実施1件)
(2) 調査場所:再生処理事業者工場内
(3) 調査方法及び評価:「プラスチック製容器包装ベールの評価方法」による調査方法、評価
(4) 調査対象保管施設数及び構成市町村数、実施保管施設数及び構成市町村数
表1) 令和2年度~令和4年度調査対象保管施設数(構成市町村数)と調査実施保管施設数(構成市町村数)推移
※R2年度の実施保管施設数は実施454件+新型コロナウイルスへの対応で未実施(H31年度の調査結果の充当)となった287件の合計
※R3年度の実施保管施設数は実施737件+新型コロナウイルスへの対応で未実施(R2年度の調査結果を充当)となった1件の合計
(5) 市町村・一部事務組合担当者立会件数
令和4年度は令和2年度及び令和3年度と同様、新型コロナウイルスへの対応により立ち合い中止とした。
表2)市町村担当者の調査立会比率
2. 評価概要
(1) 「破袋度」評価
各市町村等の中間処理施設で収集袋を破袋し、異物を除去することは、その後のリサイクル工程の安全と効率化のために重要な項目である。
平成18年度以降、定量評価を実施して改善が進んで来ていたが、22年度の調査において、収集袋に裂け目を入れただけで収集物が入ったままのものが散見されたため、23年度から評価基準を変更し、「裂け目のある収集袋で内容物が残っており、内容が確認できない」収集袋も未破袋と数えることとした。年々改善が図られ、高い水準を維持している。
(評価方法)
床に広げた状態の60kg~80kg(総重量を測定)のサンプルを評価する。
a.収集袋が破袋されずにベール化されている状態を見る。
b.未破袋の数量を数える。数を評価対象重量で割り込んだ個数/kgを測定する。
(評価点数)
Aランク=殆ど破袋されている(基準:0.2個未満/kg)
Bランク=少し破袋されていない袋が見られる(基準:0.2個以上0.4個未満/kg)
Dランク=破袋されていない袋がかなり目立つ(基準:0.4個以上/㎏)
表3) 破袋度
(2) 「容器包装比率」の評価と判定
容器包装比率は、プラスチック製容器包装の再商品化率を左右する非常に重要な項目である。
協会では、品質改善の最重点項目として改善に取り組んでいる。
令和4年度は令和3年度に比べ、Aランクの比率が減少したが、R2年度より高い結果となり、依然として高い水準を維持している。
(評価方法)
床に広げた状態の60kg~80kg(総重量を測定)のサンプルを評価する。
a.分別基準適合物以外の異物を取り出し、その重量を測定する。
b.サンプル総重量から異物測定値を差し引き、容器包装の重量を算出する。
<異物区分>
- 汚れの付着したプラスチック製容器包装
- 指定収集袋および市販のごみ袋
- PET区分の容器
- 他素材の容器包装
- 容器包装以外のプラスチック製品
- 事業系廃棄物
- その他
- 禁忌品
(判定基準)
容器包装比率により以下のランクとなる
Aランク:90%以上
Bランク:85%以上、90%未満
Dランク:85%未満
表4) 容器包装比率
(3) 「禁忌品」の評価と判定
引き取りベールからの医療系廃棄物と危険品のいずれかの混入の度合いを評価する。
令和4年度もDランクの割合が高く、改善が進んでいない。特に、モバイルバッテリー、加熱式タバコ、電子機器のバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む電子機器がプラスチック製容器包装のベールに混入し、再生処理事業者での発火トラブルが近年増加しているため、禁忌品の混入防止が大変重要な課題となっている。
(評価方法)
床に広げた状態の60kg~80kg(総重量を測定)のサンプル中に「医療系廃棄物」および「危険品」に該当するものが混入しているか評価する。
a.該当物が混入の場合は、品名と数量を記録する。
(判定基準)
「医療系廃棄物」「危険品」の混入がなければAランク、いずれかあればDランク
表5) 禁忌品の評価
(4) 「医療系廃棄物」と「危険品」の混入
• 医療系廃棄物は、近年の在宅医療の普及で、年々注射器本体、針付の注射器等生活医療製品の混入が多くなっている。住民への排出指導、地元医師会、薬剤師会との処分方法の調整等が望まれる。
• 特に、電池、ライター、カミソリ等の危険品の混入率は依然として高く、改善が進んでいない。
表6) 医療系廃棄物、危険品の混入
(5) 破袋度と容器包装比率の相関
表7) 破袋度と容器包装比率の関係
(6) 破袋度と禁忌品の相関
表8) 破袋度点数と禁忌品の有無の割合
以上