数字で見るリサイクルのゆくえ プラスチック製容器包装

令和6年8月16日更新

ここではプラスチック製容器包装の再商品化(リサイクル)の流れをご覧いただけます。
単年度ごとのリサイクルのゆくえを少しでも実態に近づけるため、再商品化事業者との契約に基づき、該当年度の翌年6月末時点までの販売実績をベースにしています。

プラスチック製容器包装のリサイクルのゆくえ

協会に容器包装プラスチックの再商品化を委託している特定事業者が、容リ法における再商品化(リサイクル)義務に基づいて費用を負担するのは、(1)市町村が分別収集し、(2)協会に引渡された分についてです。
再生処理事業者によって「材料リサイクル」あるいは「ケミカルリサイクル」が行われ、再商品化製品(原材料)となって、さまざまな製品にリサイクルされます。
再商品化製品は、利用事業者に販売され、利用製品となって活用されます。

また令和5年度からプラ法に基づく、製品プラスチックのリサイクルが開始されました。こちらのリサイクルの費用は、市町村が負担しています。

※残さには有価物は含まれません。

プラスチック製容器包装のリサイクルフロー

※プラスチック製容器包装のフローになります。

リサイクル方法(再商品化手法) 定義
材料リサイクル 異物を除去、洗浄、破砕その他の処理をし、ペレット等のプラスチック原料を得る
ケミカル
リサイクル
油化 異物の除去、破砕、脱塩素、熱分解、精製その他の処理をし、炭化水素油を得る
高炉還元剤化 異物の除去、破砕、塩ビ除去、検査、分級その他の処理をし、高炉で用いる還元剤を得る
コークス炉化学原料化 異物の除去、破砕、塩ビ除去、検査、分級その他の処理をし、コークス炉で用いる原料炭の代替物を得る
ガス化 異物の除去、破砕、熱分解、改質、精製その他の処理をし、水素および一酸化炭素を主成分とするガスを得る
固形燃料等 塩ビ除去後、固形燃料等の燃料を得る

(外部サイト:プラスチック循環利用協会 プラスチック図書館)

再商品化見込費用、落札量の推移については、プラスチックの手法別見込費用推移をご確認ください。

関連リンク

再商品化製品利用製品(材料リサイクル) 再商品化製品利用製品(ケミカルリサイクル) 残さ 残さ

材料リサイクル(プラ素形材)

異物の除去、選別、洗浄、破砕等の処理をし、フレーク・フラフ、減容品、ペレット状にしたものです。

ケミカルリサイクル(写真:コークス炉化学原料)

プラスチックから金属等の異物を取り除き、熱をかけて小さく俵状にしたものです。

リサイクル方法
(再商品化手法)
リサイクル製品の原材料等
(再商品化製品)
令和5年度 令和4年度 令和3年度
販売量(t) 構成比 販売量(t) 構成比 販売量 構成比
材料リサイクル プラ原料(素形材) 182,928 42.1% 192,232 42.8% 182,705 39.5%
ケミカル
リサイクル
高炉還元剤化 高炉還元剤 12,915 3.0% 25,771 5.7% 28,770 6.2%
コークス炉化学原料化 コークス炉化学原料 194,862 44.9% 188,156 41.9% 217,848 47.1%
ガス化 合成ガス 43,707 10.1% 43,283 9.6% 33,632 7.3%
油化 炭化水素油 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%
合計 434,412 100.0% 449,442 100.0% 462,956 100.0%
  • ※割合については、小数第二位で四捨五入しているため、それぞれの合計の数字と合わないことがあります。
  • ※令和4年4月より令和5年6月までの販売実績です。
  • ※令和5年度の実績には、製品プラスチックも含まれています。
    再商品化計画の認定(プラ法33条)の容器包装プラスチック、製品プラスチックは含まれていません。

原材料等内訳グラフ 令和5年度

リサイクル製品
(再商品化製品利用製品)
令和5年度 令和4年度 令和3年度
販売量(t) 構成比 販売量(t) 構成比 販売量(t) 構成比
パレット 49,470 27.0% 61,168 31.8% 58,511 32.0%
プラスチック板 5,463 3.0% 3,487 1.8% 2,862 1.6%
再生樹脂 91,932 50.3% 89,362 46.5% 85,706 46.9%
棒・杭・擬木 2,437 1.3% 2,724 1.4% 2,586 1.4%
電力・通信用資材 3,703 2.0% 4,363 2.3% 4,608 2.5%
土木建築用資材 12,389 6.8% 11,989 6.2% 11,050 6.0%
園芸農業用資材 5,495 3.0% 6,372 3.3% 6,362 3.5%
工業用部品 284 0.2% 384 0.2% 550 0.3%
日用雑貨・その他 11,754 6.4% 12,384 6.4% 10,469 5.7%
合計 182,928 100.0% 192,232 100.0% 182,705 100.0%
  • ※割合については、小数第二位で四捨五入しているため、それぞれの合計の数字と合わないことがあります。
  • ※令和5年4月より令和6年6月までの販売実績
  • ※令和5年度の実績には、製品プラスチックも含まれています。
    再商品化計画の認定(プラ法33条)の容器包装プラスチック、製品プラスチックは含まれていません。

グラフ:材料リサイクル製品内訳 令和5年度

パレット

写真:パレット

フォークリフトなどで物を運ぶ時の「荷台(パレット)」として使用されます。

プラスチック板

プラスチック板

OAフロアー材

具体的製品例:コンクリートパネル、OAフロアー材、板材
写真中央は、コンクリートパネルとして使用されている例です。

再生樹脂

写真:再生樹脂

材料リサイクル製品に他のプラスチックや木粉、無機粉末等を溶融混合し、より品質の高い再生樹脂として販売されます。

棒・杭・擬木

標識杭

擬木

具体的製品例:標識杭、境界杭、擬木

電力・通信用資材

ケーブルトラフ

具体的製品例:ケーブルトラフ※、光ケーブル保護管

※ケーブルトラフ:電力・通信用に使用されるケーブル類を保護するために使用されます。

土木建築用資材

マンホール蓋

車止め使用例

具体的製品例:土台ブロック※1、マンホール蓋、雨水升、車止め、基礎スペーサー※2、点字ブロック

※1 土台ブロック:工事現場等で使用する仮設事務所の土台として使用します。
※2 基礎スペーサー:木造住宅の床下通風のために使用される建築資材

園芸農業用資材

プランター

具体的製品例:フラワーボックス、プランター、畦カバー

工業用部品

車輪止め

具体的製品例:ダンネージストッパー※1、輸送用コンテナー、車輪止め※2

※1 ダンネージストッパー:建築現場などで資材が転がったりしないように固定しておく受け台
※2 車輪止め:トラックの荷下ろし時、車が動かないように車輪を止める

日用雑貨・その他

ごみ袋

水切りコーナー用ポリ袋

具体的製品例:ごみ袋、包装材

リサイクル方法
(再商品化手法)
リサイクル製品
(再商品化製品利用製品)
令和5年度 令和4年度 令和3年度
販売量 (t) 構成比 販売量 (t) 構成比 販売量 (t) 構成比
高炉還元剤化 高炉還元剤として消費 12,915 100.0% 25,771 100.0% 28,770 100.0%
コークス炉化学原料化 コークス(還元剤) 194,862 100.0% 188,156 100.0% 217,848 100.0%
炭化水素油(化学原料)
コークス炉ガス(発電)
ガス化 43,707 100.0% 43,283 100.0% 33,632 100.0%
内訳 化学原料(アンモニア合成の原料) 43,418 99.4% 42,753 98.8% 33,137 98.5%
熱利用 289 0.6% 530 1.2% 496 1.5%
油化 0 - 0 - 0 -
内訳 化学原料 0 - 0 - 0 -
熱利用 0 - 0 - 0 -
合計 251,484 - 257,210 - 280,250 -
  • ※ 割合については、小数第二位で四捨五入しているため、それぞれの合計の数字と合わないことがあります。
  • ※令和5年4月より令和6年6月までの販売実績
  • ※令和5年度の実績には、製品プラスチックも含まれています。
    再商品化計画の認定(プラ法33条)の容器包装プラスチック、製品プラスチックは含まれていません。

ケミカルリサイクル製品内訳
令和5年度

プラスチック ケミカルリサイクル方法(再商品化手法)

油化

廃プラスチックを、熱分解して炭化水素油を製造する方法。(平成23年度から実績なし)
下図の緑色の背景の部分が、容器包装リサイクル法におけるリサイクルの範囲(再商品化製品)です。

炭化水素油
プラスチックを粉砕して金属や塩素分を取り除き、炭化水素分を熱分解して分留する。油化設備に投入され、炭化水素油(軽・中・重質油)が生成される。

化学原料
石油精製メーカーに出荷され、工業製品、洗浄剤等の原料であるナフサを得る。

熱利用
重油の代わりとしてボイラー用燃料等に使用される。

高炉還元剤化

廃プラスチックを、高炉でコークスや微粉炭のかわりに鉄鉱石の還元剤として使う手法。 下図の緑色の背景の部分が、容器包装リサイクル法におけるリサイクルの範囲(再商品化製品)です。

減容成形品
プラスチックから不燃物や金属を取り除き、5~8ミリの粒状にする。

高炉還元剤
微粉炭と一緒に羽口から高炉に吹き込み、鉄鉱石を銑鉄にする際の還元剤として使用される


高炉外観


高炉内部(概略図)


出銑の様子


鉄鋼製品の例

コークス炉化学原料化

廃プラスチックから、コークス炉で用いる原料炭の代替物を得る手法。
下図の緑色の背景の部分が、容器包装リサイクル法におけるリサイクルの範囲(再商品化製品)です。

減容成形品
プラスチックから金属等の異物を取り除き、減容成形する。

石炭と一緒にコークス炉に入れ、無酸素状態で焼く1200℃まで加熱、熱分解する。


コークス炉外観


コークス炉内部(概略図)

コークス
鉄鉱石を銑鉄にする際の還元剤として使用される。


コークス


鉄鋼製品の例

炭化水素油
軽質油やタール等のプラスチック原料が製造されて、再度化学原料として生まれ変わる。


塗料


電子材料

(化学原料から作られた製品の例)

コークス炉ガス(発電)
水素、メタンが主成分のコークス炉ガスとして、発電所や製鐵所のエネルギーとして利用される。


発電所

ガス化

廃プラスチックから、合成ガスを得る手法。


減容成形品


ガス化炉外観


ガス化炉内部
(概略図)

プラスチックを減容・成形してガス化炉に投入する。自らの反応熱で熱分解され、水素・一酸化炭素を主体とする合成ガスに改質される。

化学原料
アンモニア等が製造される


アンモニア製造工程

全国に出荷され、様々な製品の原料になる。
脱硝用薬剤等としても使用される。


ナイロン繊維


アクリル繊維


肥料


ドライアイス

(化学原料から作られた製品の例)

ガス化2

熱利用(ガス化)
製鉄所内の発電所等で利用される


発電所外観


発電機