(2)再生処理事業者からのプレゼンテーション
①
PETボトル再商品化事業者A社プレゼンテーション資料【PDF】
【企業概要】
- 再生繊維メーカーで、PETボトル再生処理事業者でもある自社一貫利用事業者
【質疑概要】
- (質問)年1回入札を前提とした価格変動方式を提案しているが、バージン原料市況の下落だけではなく高騰にも連動した価格変動方式もあるのではないか。
- 発表者:下落時の対応のみでよいと考える。そもそもバージン原料とリサイクル原料に安定的に価格差が保たれていることが、リサイクル原料の安定的な販売に繋がる。バージン原料の高騰は、その仕組みに影響は与えないが、下落はその根底を覆すことに直結するため、価格変動方式の導入が必要である。
- (質問)価格変動を捉える時点はどう考えればよいのか。
- 発表者:バージン原料の場合、3ヶ月の平均価格と期初の落札単価を比較し、以降3ヶ月間適用するのが一般的である。乖離幅は10%程度を目安とすべきである。年4回の入札方式は業務量も過大となり、現実的には困難である。
- (質問)複数回入札になると、どういった業務が増大するのか。
- 発表者:すべての市町村と運搬事業者と同行のうえ協議しなければならない。パレットの事前搬入も必須。入札業務も煩雑で負荷が大きい。
②
PETボトル再商品化事業者B社 入札制度等に関する意見書【PDF】
【企業概要】
- 特定利用事業者の100%子会社で、PETボトルリサイクル専業事業者
【質疑概要】
- (質問)ベール価格高騰の要因は、単価のみ評価する現行の入札制度であるという説明ですが、その他にどんな評価軸があるのか。
- 発表者:そもそも入札価格を決定する要因は、市況から判断する計算価格と、競合環境を意識した戦略価格という側面があり、価格が唯一の評価軸であると大きく読み誤ることも予測される。
評価軸は、PETボトルという大事な資源を最大限有効活用するためのリサイクルのあるべき姿について、議論するなかで評価軸作りを行うべき。PETボトルがPETボトルや食品トレイといった高度なリサイクルに取組む再商品化事業者を育てていく評価軸を希望する。
- (質問)入札対象量を大きく上回る再商品化能力という現状についてコメントが無いが。
- 発表者:再商品化能力の中味もさまざまである。その処理能力の質の議論をおいて単に量のギャップのみ問題視すべきではないと判断し言及していない。
③
PETボトル再生処理事業者C社 PETボトルの入札制度に関する意見【PDF】
【企業概要】
- 非利用事業者である複数の企業等が出資するPETボトルリサイクル専業事業者
【質疑概要】
- (質問)出口市場の海外依存性リスクの顕在化とは輸出という意味か。
- 発表者:中国の繊維市場は日本の100倍であり中国経済の影響を大きく受ける。独自処理自治体分を容リルートに戻すことや事業系の国内リサイクルといった国内循環の仕組みを構築しておかないと今後大きなリスクとなる。
- (質問)バージン価格の連動制とは、どの価格を指標としているのか。
- 発表者:ICIS(世界最大の石油価格に関する市場情報提供会社)が最も一般的だが、他にもいくつかの指標となる情報源がある。絶対値ではなく平均値での差分で検討するのが良いのではないか。入札評価は、価格のみではなく、総合評価方式を取り入れるべきである。異常な入札価格のチェックの仕組みも合わせて取り入れるべきだと思う。