
令和5年1月17日更新
環境負荷削減効果
プラスチック製容器包装廃棄物をリサイクルする場合(=リサイクルシステム*1)とリサイクルしない場合(=オリジナルシステム*2)、各々の環境負荷を算出し、その差をリサイクルの効果(環境負荷削減効果)としています。なお、ここでは、「分別基準適合物をベール化」した状態を両方の計算のスタートとしています。
*1リサイクルシステム:プラスチック製容器包装廃棄物のベールから、再生材(再商品化製品)を作り、これを原料としたリサイクル製品(再商品化製品利用製品)を製造する一連の工程(再商品化手法毎)。
*2オリジナルシステム:上記、リサイクル製品(再商品化製品利用製品)が代替していると考えられる元の製品(通常、バージン材から作られる)を「オリジナル製品」とし、これを製造する一連の工程。そして、リサイクルする/しないに係わらず必ず発生する廃棄物のベールを単純焼却する工程を加えています(リサイクルシステムとオリジナルシステムの「機能統一」と言います)。
1.リサイクルによる削減効果
令和3年度はプラ製容器包装の再商品化により、エネルギー資源(※1)消費換算で少なくとも213億MJ(メガジュール(※2))、CO2排出量換算で184万トンの削減効果となりました。
(※1)エネルギー資源とは、石油・石炭・天然ガスなどエネルギーを得るための資源の総称。
ここでは、種々のリサイクル手法で節約される資源の種類によらず熱量(エネルギーの量)に換算して表す。
(※2)MJ(メガジュール):106(10の6乗、100万)ジュール、1MJは約0.2778kWhに等しい(上記、213億MJ=約592万 MWh)。
なお、材料リサイクルでは、残渣の処理としてエネルギー回収が進んでおり、この効果分を(グラフでは色分けした上で)加算しています。
(1)リサイクルによるエネルギー資源の削減効果
平成24~令和3度までのプラスチック製容器包装リサイクルによるエネルギー資源の削減効果の経年変化を以下のグラフに示します。
平成24~25年度においては、材料リサイクルの残渣の有効利用分のエネルギー資源削減効果増加が主な要因となり、全体のエネルギー資源削減効果が増加しています。
また、平成25年度以降においては、全体としてのエネルギー資源削減効果はほぼ横ばいとなっていますが、
令和2年度以降は市町村からのベール引取実績が増加したこともあり、全体のエネルギー資源削減効果も増加しています。

項 目 |
平成24年度 |
平成25年度 |
平成26年度 |
平成27年度 |
平成28年度 |
平成29年度 |
平成30年度 |
平成31年度 |
令和2年度 |
令和3年度 |
材料リサイクル |
4.47E+09 |
5.76E+09 |
5.62E+09 |
5.46E+09 |
5.50E+09 |
5.41E+09 |
6.29E+09 |
5.76E+09 |
6.29E+09 |
6.23E+09 |
材料リサイクル
残渣の有効利用分 |
2.60E+09 |
3.11E+09 |
2.72E+09 |
2.88E+09 |
2.71E+09 |
2.68E+09 |
3.00E+09 |
2.87E+09 |
2.85E+09 |
2.92E+09 |
高炉還元
(コークス代替) |
9.45E+08 |
1.10E+09 |
9.77E+08 |
1.13E+09 |
1.06E+09 |
1.02E+09 |
1.05E+09 |
1.01E+09 |
1.04E+09 |
1.10E+09 |
コークス炉化学原料化 |
8.02E+09 |
7.56E+09 |
8.51E+09 |
8.18E+09 |
8.28E+09 |
8.51E+09 |
7.06E+09 |
8.55E+09 |
8.40E+09 |
9.32E+09 |
ガス化
(アンモニア製造) |
2.06E+09 |
2.34E+09 |
2.19E+09 |
2.28E+09 |
2.26E+09 |
2.30E+09 |
2.27E+09 |
2.26E+09 |
2.29E+09 |
1.74E+09 |
ガス化(燃焼) |
5.63E+08 |
4.49E+08 |
3.13E+08 |
4.29E+08 |
2.65E+08 |
3.43E+08 |
6.42E+07 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
油化 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
合 計 |
1.87E+10 |
2.03E+10 |
2.03E+10 |
2.04E+10 |
2.01E+10 |
2.03E+10 |
1.97E+10 |
2.04E+10 |
2.09+10 |
2.13E+10 |
※ここで用いている表記の説明:
(例)1.5E+03であれば、1.5×(10の三乗)で1,500のことを示します。
(例)1.5E-03であれば、1.5×(「10分の1」の三乗)で0.0015のことを示します。
(2) リサイクルによるCO2排出量の削減効果
平成24~令和3年度までのプラスチック製容器包装リサイクルによるCO2削減効果の経年変化を以下のグラフに示します。
「(1)エネルギー資源消費の削減効果」と同様の理由により、平成24~25年度において、CO2削減効果は増加傾向となっており、平成25以降はほぼ横ばいとなっていますが、令和2年度以降は増加傾向となっています。

比較対象項目 |
平成24年度 |
平成25年度 |
平成26年度 |
平成27年度 |
平成28年度 |
平成29年度 |
平成30年度 |
平成31年度 |
令和2年度 |
令和3年度 |
材料リサイクル |
4.55E+08 |
5.60E+08 |
5.45E+08 |
5.32E+08 |
5.37E+08 |
5.25E+08 |
6.10E+08 |
5.59E+08 |
6.11E+08 |
6.04E+08 |
材料リサイクル
残渣の有効利用分 |
2.10E+08 |
2.51E+08 |
2.20E+08 |
2.33E+08 |
2.19E+08 |
2.17E+08 |
2.43E+08 |
2.32E+08 |
2.30E+08 |
2.36E+08 |
高炉還元
(コークス代替) |
1.07E+08 |
1.24E+08 |
1.11E+08 |
1.28E+08 |
1.20E+08 |
1.15E+08 |
1.19E+08 |
1.14E+08 |
1.18E+08 |
1.24E+08 |
コークス炉化学原料化 |
6.59E+08 |
6.20E+08 |
6.98E+08 |
6.71E+08 |
6.79E+08 |
6.99E+08 |
5.79E+08 |
7.02E+08 |
6.89E+08 |
7.65E+08 |
ガス化
(アンモニア製造) |
1.36E+08 |
1.55E+08 |
1.45E+08 |
1.51E+08 |
1.50E+08 |
1.52E+08 |
1.50E+08 |
1.50E+08 |
1.52E+08 |
1.16E+08 |
ガス化(燃焼) |
4.33E+07 |
3.45E+07 |
2.41E+07 |
3.30E+07 |
2.04E+07 |
2.64E+07 |
4.94E+06 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
油化 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
0.00E+00 |
合 計 |
1.61E+09 |
1.75E+09 |
1.74E+09 |
1.75E+09 |
1.73E+09 |
1.73E+09 |
1.71E+09 |
1.76E+09 |
1.80E09 |
1.84E+09 |
2.ベール投入割合と削減効果の割合
(1)手法ごとのエネルギー資源削減効果の割合
