リチウムイオン電池による発火トラブルのデータ集
令和5年9月11日更新
「リチウムイオン電池」内蔵の製品を、正しい方法で捨ててください!
リチウムイオン電池は、大容量の電力を蓄えることが可能で、繰り返し充電して使用できる電池です。その便利さ故、スマートフォンやゲーム機器、電子タバコ、掃除機など、身の回りのあらゆる製品に内蔵されています。
このリチウムイオン電池、実は、衝撃を加えると発火するという性質があります。そのため、これを内蔵した製品を捨てるとき、正しい方法で廃棄しないと大きな事故につながる可能性があります。実際、リサイクル工場で発火事故が発生した事例もあります。
このページでは、どんなものに「リチウムイオン電池」が使われているのか、正しく捨てないとどんなことが起こるのかを紹介しています。
捨て方は、所定の曜日に所定の方法で廃棄する場合や、地域拠点に回収ボックスを設置している場合など、自治体によって異なります。
不要になったリチウムイオン電池や電池使用製品は、お住まいの自治体の廃棄ルールに従って捨ててください。
環境省によるセーフリサイクル!リチウムイオン電池!(正しい捨て方の動画)をご覧ください。市民の皆様への啓発ページも公開中です。
(3分13秒 令和5年7月公開)
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リチウムイオン電池は何に内蔵されている?
リチウムイオン電池とは、軽量で高電圧が出せるのが特徴の充電式電池です。
その便利さ故に、近年モバイルバッテリー、加熱式タバコ、電子機器のバッテリーなど、リチウムイオン電池を内蔵する電子機器が身の回りに数多く見られるようになりました。
いろいろな充電式の小型家電製品や小型バッテリー使用製品の例

間違った捨て方で、発煙・発火トラブルも発生!?
リチウムイオン電池を含む電子機器がプラスチック製容器包装の中に混入することで、リサイクル工場での発煙、発火トラブルが近年増加しています。
電子機器にはプラスチック部分も多く、誤ってプラスチック製容器包装ごみの日に出してしまったため、起こっていると考えられます。
プラスチックごみの中にリチウムイオン電池が入ってしまうと、取り除く事がとても難しくなります。
その理由は、乾電池などは磁石に付くので取り除きやすいのですが、リチウムイオン電池を含む電子機器は磁石に付かないものが多いため取り除きにくいのです。
また、一度発火してしまうと、まわりには燃えやすいプラスチックがあるので、なかなか消火できません。
そして、乾電池やその他の電池についても発火の可能性はありますが、リチウムイオン電池は中に燃えやすい液体が入っていることもあり、発火リスクが特に高いと言われています。
実際に、リチウムイオン電池の発火が原因で、リサイクル工場の建屋・設備が焼けてしまった事例もあります。
リチウムイオン電池の発火が原因で、リサイクル工場の建屋・設備が焼けてしまった事例
発火が起こる仕組み
モバイルバッテリー、加熱式タバコ、電子機器のバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む電子機器がプラスチック製容器包装のベールに混入し、プラスチックのリサイクル工場での発火トラブルが近年増加しています。
乾電池や、その他の電池についても、発火の可能性はありますが、リチウムイオン電池は中に燃えやすい液体が入っていることもあり、発火リスクが特に高いと言われています。
リチウムイオン電池は、プラスチックリサイクル工場における第一段階である「ベール解砕機」や「破袋機」の刃によって、リチウムイオン電池が押し潰されて、ショート・発火し、周囲にあるプラスチックに着火してしまうことがあります。
リチウムイオン電池が押しつぶされ、ショート・発火するイメージ

お住まいの地域の分別ルールに従って捨てて下さい
リチウムイオン電池の捨て方は、所定の曜日に所定の方法で出す場合や、地域拠点に回収ボックスを設置している場合など、自治体によって異なります。
各市区町村のWebサイトや分別カレンダー等で「リチウムイオン電池の廃棄方法」を確認し、お住まいの地域のルールに従って捨てましょう!

JBRCはリチウムイオン電池の回収・リサイクルを行っています
一般社団法人JBRCは、資源有効利用促進法に基づき、小型充電式電池(リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)の回収・リサイクルを行っている団体です。
小型充電式電池のリサイクルマーク

JBRCでは、従来、ホームセンターや家電量販店などの産業廃棄物ルートで回収しておりましたが、2018年10月1日より、一般社団法人JBRCの排出者登録が完了すれば、自治体、自治体関連施設等から、一般廃棄物として収集・運搬することが可能となりました。このような仕組みで小型充電式電池が一般廃棄物として回収されることにより、プラスチック製容器包装へのリチウムイオン電池の混入減少に繋がると期待をしております。市町村の一般廃棄物をご担当されている方には、ぜひJBRCの排出者登録のご検討をお願いします。
一般社団法人JBRCホームページ(https://www.jbrc.com/)TEL : 03-6403-5673
『排出者』専用サイト > 新規「排出者」登録 > 一般廃棄物排出者登録
回収ルートとリサイクルフロー
2013年4月に小型家電リサイクル法が施行され、小型家電の回収・リサイクルがされておりますが、まだまだ、不燃ごみなどに回され、リサイクルされていない小型家電も多いと思われます。小型家電の中に電池が入っているにも関わらず、製品にプラスチックが使われていることから、誤って、プラスチック製容器包装に混入する事例が見受けられます。
小型家電リサイクルに関する市民啓発、回収拠点場所追加、ピックアップ量増加、宅配便回収導入などを行い小型家電の回収量・リサイクル量を増やすことで、ひいてはプラスチック製容器包装へのリチウムイオン電池を含む電子機器の混入量を減らすことにつながると考えられます。
現在、環境省・経済産業省で小型家電リサイクル法の課題整理・点検が行われています。メーカーや小売事業者におけるリチウムイオン電池内蔵製品の商品への識別表示や回収量増加の施策を期待します。
リチウムイオン電池等の回収ルート
発火の危険性が高いリチウムイオン電池をプラスチック製容器包装及び
分別収集物に混入させないために

※一部地域では、不燃ごみで回収している場合もあります。
JBRCが実施する小型充電式電池のリサイクルフロー図

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