日本容器包装リサイクル協会ニュース No.76
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容リ協ニュースNo.76 November 2017103Rの広場市民・事業者・行政が協働し、川崎ならではのエコな暮らしを推進川崎市神奈川県の北東部に位置する川崎市は、人口およそ150万を数える政令指定都市。現在も人口増が続く同市ですが、市民と事業者、行政が協働して3R活動に取り組むことで、ごみの総排出量の減少を実現しています。 川崎市は、普通ごみの毎日収集や、4つのごみ焼却処理施設による全量焼却体制を全国に先駆けて確立するなど、ごみ処理先進都市としての高い評価を長年にわたって受けてきました。しかし、急激な人口増加や経済発展に伴い、ごみの量が毎年5%近く増加し続け、1980年代後半には焼却処理能力が限界に迫るまでになりました。そこで川崎市では1990年、この危機を乗り越えるべく「ごみ非常事態宣言」を出し、ごみの排出抑制への協力を市民に訴えるとともに、分別収集にも取り組みました。 2005年には、“地球環境にやさしい持続可能な循環型のまちを目指して”を基本理念とした川崎市一般廃棄物処理基本計画「かわさきチャレンジ・3R」を策定。11年間に及ぶ本計画では3Rに重点を置き、ミックスペーパーやプラスチック製容器包装の収集を全市で実施するなど分別収集の拡大に努めるとともに、普通ごみの収集回数を減らすことで資源の有効活用の促進や焼却ごみの削減に注力。循環型の廃棄物処理に向けた基本施策へと大きく転換を図っています。 「『かわさきチャレンジ・3R』では、2003年に50万トンだったごみの年間焼却量を、2014年実績で37万トンにまで減少させることに成功したため、4つあった焼却施設を2015年4月には3つへと削減しました。この移行により、大きな経費縮減効果が見込まれます」と、その成果を語るのは、川崎市環境局廃棄物政策担当の石坂勇二さんです。また、焼却灰の埋立処分場については、計画策定当初は2028年度で満杯になる状態だったものが、2056年度までの延命化を図ることができました。 2016年4月からは、新たな一般廃棄物処理基本計画「ごみ減量 未来へつなげる エコ暮らしプラン」を推進中です。「エコ暮らしプラン」では、生活の質の高さと環境の保全を両立させたエコ暮らしなライフスタイルへの転換を図りつつ、人口が引き続き増加する中にあってもごみの総量をさらに減らすべく、リサイクル以上に環境負荷が少ない2R(リデュース・リユース)を重視し、環境教育・環境学習に力を入れ、市民・事業者・行政が協働で2Rの取り組みを重点的に推進しています。危機を乗り越え、環境先進都市に変貌3R推進キャラクター「かわるん」左から、川崎市環境局・生活環境部の山本康之さんと石坂勇二さん、地球環境推進室の宮川潔さんと内田洋平さん

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