日本容器包装リサイクル協会ニュース No.73
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座談会の進行を務めさせていただく「NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット」の鬼沢です。2020年東京大会の開催は、その後の資源循環、持続可能な社会の創造にとって、とても良い契機になると思います。まずは東京都が現在進めている資源循環政策の概略について、資源循環推進部の古澤さんからお話しいただけますか。2020年に向けて今、環境政策に関するどんな検討がなされているのか、その目指す方向性についてお話しさせていただきます。大会の準備は東京都とJOCが設立した「組織委員会」が中心的に担い、パートナー企業、東京都内に限らない多くの市区町村、NGOの皆さんの協力を得ながら行なっています。組織委員会では現在、「持続可能な大会に向けた運営計画」についての検討を進めているところです。その名称からもわかるとおり、運営計画の作成に当たってはサステナビリティが重要なテーマとなっています。持続可能性のある社会に向けてどういう一歩を進めていくか。さらには、どういうレガシー(開催を契機として社会に生み出される持続的な効果)を残していくかも検討課題のひとつです。持続可能な大会に向けた運営計画の中で、容器包装に関して現在進められているプランがあればお教えください。容器包装をいかに減らしていくかは、大きな議論になるところかと思います。大きな方針として、3Rを推進していくことは当然あるでしょう。ただ、大会運営の詳細がこれから決まるという段階ですので、具体的な施策というとまだまだこれからという状況です。組織委員会には、様々な組織からいろいろな提案がすでに出されているようです2020年東京大会を持続可能な社会づくりの第一歩に2020年東京大会を通じてどんなレガシーを残すべきかね。あるNGOからは、リユースカップを会場内で使ったらどうかという提案があったと聞いています。リユースカップについては、考慮すべき重要な取り組みだと考えています。今年、フランスで行なわれたサッカーの国際大会「ユーロ2016」でも、リユースカップが使用されたそうです。しかし、オリンピックは想像以上に大規模なイベントだと聞いていますので、どういう条件が整えばそれが可能なのか、これからの検討課題だと考えています。それではここで、私の方から2012年ロンドン大会でどんなことが行なわれたのかについて、簡単にご紹介させていただきたいと思います。実は、2014年9月に現地を訪問してヒアリングをしてきたのですが、ロンドン大会では持続可能な社会形成という大きなテーマのもとに、3Rに基づいた循環政策の実現を掲げたそうです。中でも驚いたのが、開催の5年前にはすでに持続可能な社会を実現するための国内基準をつくったということ。その中で、容器包装のごみを減らすために、調達品に関してその製品にはどういう包装がされていて、それは使用後にリサイクルできるものなのかどうかまで、基準を決めたということでした。東京ではどんなレガシーを開催後に残すことができるのか、今から楽しみにしています。そういえばロンドン大会では、調達基準として持続可能な漁業で獲られた水産物に与えられる海のエコラベル、MSC認証が採用されていました。イオングループさんでは、この認証を受けた水産物をすでに取り扱われていますよね。海のエコラベルについては、2006年頃から取り入れていまして、まさに今、拡大しようとしているところです。その水産物がどんなふうに獲られたものなのか、その魚は資源の枯渇の恐れはないのかなど、私たち小売業者も調達に対して説明責任を果たしたいと考えました。そこでMSC認証を受けた水産物の取り扱いを始め、2014年には全社的な方針と鬼沢鬼沢鬼沢金丸鬼沢古澤古澤古澤容リ協ニュースNo.73 November 20163

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