日本容器包装リサイクル協会ニュース No.68
14/16

日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.68 February 201514「い・ろ・は・す」です。日本コカ・コーラにて容器開発を手がける松岡建之さんによると、「い・ろ・は・す」の製品容器は最先端の軽量化技術の粋を集めてつくられたといいます。 「飲料業界では1996年に500mlPETボトルが実用化され、その重量は32gでした。その後、1998年には20.5gまで軽量化されましたが、以降は大幅な軽量化が図られることはありませんでした。それを一気に12gにまで軽量化したのが、2009年発売の『い・ろ・は・す』です。この超最軽量ボトルを可能にしたのが、五角形や六角形のリブ (くぼみ) を組み合わせた多角形リブ構造。これにより円形や六角形などの単一で成形する場合に比べ、縦・横方向の荷重耐性が向上し、ここまでの軽量化を実現できたというわけです」(松岡さん) また、「い・ろ・は・す」を語る上で欠かせないのが、子どもの力でも容易にしぼれるというユニークな特性です。「い・ろ・は・す」で採用されている容器「ecoるボトルしぼる」は、しぼっても元の形状に戻らないため、排出時における空き容器の大幅な減容化を実現しています。PETボトルをしぼるという行為を通して、消費者にエコを体感 現在、日本コカ・コーラでは、容器資材の使用量を減らすことによる軽量化だけに留まらず、様々な新しい試みに挑戦しています。例えば、容器の素材自体を変えることもその一つ。「ジョージア」ブランドの缶コーヒーでは、缶容器に使用する素材をスチールからアルミに変更。ほぼ半分の軽量化を実現するとともに、CO2排出量の削減に高い効果を上げています。前述した「い・ろ・は・す」では、容器資材に再生可能な植物由来の素材を5~30%使用した次世代型PETボトル「プラントボトル」を導入。将来的に100%植物由来のボトルの実現を目指し、開発研究を進めています。 さらに、容器のリサイクルに関しても新たな取り組みが始まっています。日本コカ・コーラでは、以前よりボトラー各社(各地域で製造・販売を担当)の協力のもと、空容器の回収・リサイクルを積極的に推進。各ボトラー社およびそのグループ会社では、リサイクルセンターを運営し、回収した空容器の分別・圧縮などを行なってきました。このうち、(株)北陸リサイクルセンターでは、自社の容器だけでなく、容器包装リサイクル法に対応した再商品化事業者として市町村が回収した使用済み容器のリサイクルも行なっています。 「今年は、ボトルtoボトルの新たなリサイクル手法であるメカニカルリサイクルを導入する予定です」と語る大西さん。清涼飲料ビジネスのリーディングカンパニーであると同時に、世界で一番、容器を使用し、排出している企業であるからこそ、今後も容器の環境負荷低減にしっかりと取り組んでいきたいと、今後の決意を力強く話してくれました。サスティナブル・パッケージのさらなる進化のために。してもらうという今までにない画期的な商品コンセプトが受け、「い・ろ・は・す」は国内において水という商品では異例の大ヒット商品となっています。さらに、「い・ろ・は・す」のしぼれるPETボトルという新しい発想は、今や全世界にも波及。各国で消費者の皆さまがエコアクションへと参加できるきっかけづくりに効果を上げています。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です