日本容器包装リサイクル協会ニュース No.66
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.66 August 201417独自のごみ検査を通して品質改善への取り組みを展開危険物チラシ定性検査で発見されたスプレーと不燃ごみ 北河内4市リサイクルプラザ「かざぐるま」では、稼働以来、分別基準適合物の品質管理について常に注力し、協会が行なう品質検査でも、市民の皆さんの協力のおかげで毎年のようにAランクを獲得してきました。しかし、組合事務局の主査、重岡彰さんによると、収集されたごみの中に禁忌品などが全く入っていないわけではなく、手選別時に発見して取り除くケースもあるといいます。 「平成22年6月、当施設で火災事故が発生しました。出火原因は、収集物に含まれていた簡易ガスライターではないかと考えられています。二度とこのような事故を起こしてはいけないとの思いから始めたのが、収集物のごみ質チェックを行なう定性検査です」(重岡さん) 定性検査は年2回、5月と10月に抜き打ちで行なわれます。その方法は、パッカー車の中からある1台を抽出した後、収集物1台分をすべてヤードに降ろして、袋の中身を一つずつ確認するというもの。多いときには約700kgもの収集物をチェックするといいます。 「定性検査には、われわれ施設スタッフの他に各市の収集担当者も参加し、自ら担当する市から出るごみのチェックを行ないます」と重岡さん。担当者自身が体験を通じて現状を実感することで、品質改善に対する意識が高まるといいます。また、検査の結果は4市のごみ処理事業担当の部課長クラスが出席する部課長会議で、メンバー全体に共有される上、「かざぐるま」のホームページ(http://kazaguruma.or.jp/)でも公表されるため、“うちの市だけ恥ずかしいことはできない”という担当者間の競争意識が芽生え、品質改善に向けた前向きな効果を上げています。 実際、定性検査開始前の20年当時には1か月に1,800個ほどあった簡易ライターの混入数が、現在では400個程度となり4分の1にまで減少しました。可燃物の混入率も稼働当初の1か月あたり10%から4~5%へと大幅に改善されています。 しかし、減ったとはいうものの、まだ400個弱の簡易ライターが混入しているのもまた事実。さらなる品質改善を実現するには、行政の力だけではやはり限界があり、市民レベルでの意識向上が必要不可欠です。重岡 彰さん定性検査排出中

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