No.61日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.61 May 201311チャレンジ! 3R ミツカンの基幹商品である食酢などに使用されるガラスびんについて、同社では軽量化計画に基づくびんの薄肉化を積極的に推進。納豆での開発事例と同様に革新的な試みを行なっています。先駆けとなったのは、平成11年に実施した食酢びんの環境負荷量に関する限りなき品質向上を目指して村中勝さんました。ふたを切り離して真ん中からパキッ!と折るだけの簡単ステップでたれがかかり、すぐに納豆が食べられるしくみです。「あらっ便利!」同様、納豆の上のフィルムとたれの小袋がないので、捨てる手間を省けます。 ただし、納豆容器に使われる発泡素材は表面がざらざらなため、たれを密封するためのフィルムとの圧着に大変苦労したそう。40種類以上の試作品を作成した上、その容器を実際に製造するテスト用の機械までもつくり、商品の生産ラインと同じ条件で何万回にも及ぶテストを繰り返したといいます。 「通常、開発スタッフはいくつかの案件を同時並行して進めるものですが、本案件だけは特別。私を含めて納豆容器開発のみを行なう専属スタッフが10人、かかりきりで従事。開発に関わったのは総勢200人を超えたと思います」(阿部さん) また、開発に当たっては、当初よりふたを割るときの“パキッ!”という音や感触を何よりも重視。思わず何度でも割ってみたいと思わせる容器としての遊び心にこだわりました。利便性だけでなく、開けること自体が楽しいという付加価値は消費者の心をつかみ、新容器を採用した納豆「パキッ!とたれ  とろっ豆 」は、容器変更後の売上げが2倍にアップ。現在、新容器は4商品のみの採用ですが、他の商品への導入も検討中です。LCA評価です。その結果を踏まえ、12年には500㎖、900㎖の食酢びんをリターナブルの青びんから透明の超軽量ワンウェイびんに切り替えました。500㎖びんは、それまでの230gから190gを実現。その後も、順次各種の調味料びんの軽量化に努めています。品質環境本部の村中勝さんは「23年度には、当社で使用されたガラスびん約2億本のうち、約1.5億本がすでに超軽量化びんに切り替わっています。この数字は、日本で流通する超軽量びん(リターナブルびん除く)の約60%に相当します」と、驚きの事実を話してくれました。 そして22年より、すでに超軽量びんへの切り替えが済んでいた「穀物酢」、「米酢」、「リンゴ酢」などの500㎖びんについて、さらなる薄肉化により利便性の向上と環境に配慮した商品開発を追求。ガラスびんメーカーと共同で190gから、さらに約11%軽い169gのびんの開発に成功します。かつてないほどの軽量化を実現したこれらのガラスびんは、日本ガラスびん協会主催の“ガラスびんアワード2011”で、「伝統的なデザインへのこだわりを残しつつ、軽量化を実現し続けている努力が、主婦が身近に使う調味料の中にも発揮されている商品」と評価され、環境優秀賞に輝きました。 ミツカンの企業理念のひとつに「脚下照顧に基づく現状否認の実行」とあります。自らの足下を見つめ、常にこれで良いということはない、さらに良いものを目指して挑戦しようという考え方は、これまでにご紹介してきたミツカンの容器開発にもしっかりと実現されています。 「これからも新たな発想で、使い勝手や環境に良い容器を開発。お客さまへ感動と喜びを届けたい。そのためのアイデアはまだまだあります」とは、納豆の容器開発に携わった阿部さんの言葉。次はどんなもので私たちを驚かせてくれるのか。今後のミツカンがますます楽しみです。“ガラスびんアワード2011”TMTM❶ふたを切り離して、❷パキッ!とまん中を折る190g169g

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