No.61日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.61 May 201310新たな発想でお客さまに感動をチャレンジ! 3R株式会社ミツカン 平成20年9月に発売した納豆「金のつぶ」の新容器「あらっ便利!」シリーズは、それまでの納豆容器には付きものであった、たれの小袋と納豆の表面を覆っていたフィルムをなくした商品。「容器の隅に収納したゼリー状のたれを箸でつまんで混ぜるだけで食べられるため、手も汚さず、ごみも低減できます」と話すのは、ミツカンMD本部の阿部克也さん。ミツカンは納豆事業に平成9年から参入していましたが、かねてより「たれの小袋を開ける際に飛び散ってしまう」、「フィルムのべたべたが手につく」といった不満がお客さまを対象とした調査でわかりました。分別収集のルールが厳しい地域では「捨てる際にたれの小袋とフィルム、容器すべてを分け、しかも洗って出さなければならず面倒」という声もあったそうです。そうした食べる際と捨てる際の煩わしさを一挙に解決すべく始まった新容器の開発プロジェクトでは、じつに100種類以上のたれと容器を試作。小袋とフィルムを必要としない究極の利便性を求めて、様々な方法が模索されました。 そして、平成18年から約2年にわたる開発期間を経て完成した「あらっ便利!」シリーズは、半年間で1億7,000万食を売り上げる大ヒットを記録しました。また、小袋とフィルムをなくしたことで、ごみの量を年間で45トン削減。さらに、従来容器に比べて包材製造時のCO2排出量が5.86%削減できるなど、環境面でも大きな成果を上げています。株式会社ミツカンの歴史は、お酒造りから生じた酒粕を使ってお酢を造ることから始まりました。それは、現代におけるリサイクルそのもの。そんな環境にやさしい伝統を継承しつつ、革新的な容器づくりに挑戦するミツカンの取り組みを紹介します。事業者による3Rの取り組み事例納豆容器の不満を解消し、大ヒットを実現 使い勝手に優れ、環境にも配慮した新容器で納豆革命を起こした「あらっ便利!」シリーズですが、中には「容器の隅にたれがあるので混ぜにくい」、「ゼリー状のたれが溶けにくい」といったお客さまの声もありました。そこでミツカンの開発チームが行なったのは、単なる改善ではありません。さらなる利便性向上に向け、全く新しい容器の開発に取り組むことでした。 「改善レベルの開発ではインパクトに欠けます。お客さまへ感動と喜びを届けるために、当社では常に革新レベルでの開発を心がけています」と、阿部さん。平成24年1月より市場に投入された新容器「パキッ!とたれ」は、そうしたミツカンの開発コンセプト通り、従来の納豆容器の常識をくつがえす画期的な商品に仕上がりました。 「パキッ!とたれ」では、容器のふたにたれを封入し納豆容器に開ける楽しさをプラス小袋とフィルムをなくし、「とろみたれ」は右上コーナーに「あらっ便利!」の容器(発売時)新容器「パキッ!とたれ」阿部克也さんTMTMTM

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