容器包装リサイクル20年のあゆみ-公益財団法人日本容器包装リサイクル協会
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るものができたのは、やはりさまざまな関係者の努力のたまものだと思います。NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネットの鬼沢です。地域でごみ問題に取り組み始めたのがきっかけでこのNPOの前身「元気なごみ仲間の会」(2003年からNPO)を起ち上げたのが、ちょうど容リ法のできた年でして、私たちの団体も活動し始めてから20年が過ぎました。容リ法は「ごみをきちんと分別して出す」という市民の役割が初めて明記された法律です。そのため、これまでは自治体や事業者にまかせていたごみ問題について市民自ら考えるようになり、市民の意識が大きく変わったと思います。当初はリサイクルしたってたいしたものはつくれないのではと思われていましたが、今では使用済みPETボトルから新たにPETボトルを再生したり、リサイクル製品でもかなり質の良いものがつくられるまでになっていて、技術の進歩たるや素晴らしいものがあると感じています。経済産業省でリサイクルを担当している高角です。私自身は、このポストに就いてまだ半年ほどしか経っていないのですが、容リ制度は各関係者がそれぞれの役割を果たすことで成り立っているシステムだと認識しています。ごみの排出量の削減やリサイクルにかかる社会的コストの低減といった成果は、各主体の努力の末に可能になっているのだなと皆さまの話を聞いてあらためて感じました。昨年の見直し審議を経て、容リ制度は次のステージへと進もうとしていますが、さらに一層の連携を深めて本制度をより良いものへと改善させていくことが大事なのだと思っています。20年を経た現在、各関係者においてリサイクルに対する認識や具体的な取り組みに施行当初と比べて何か変化はありましたか。容リ協でいえば、平成22年度に公益財団法人として新たなスタートを切ったことが大きく、その後の取り組みにも大きな影響を及ぼしています。この20年の間に容リ協と契約する市町村の数は着実に上がりました。施行当初は29%の契約率だったのが、平成28年度には91%までになっています。しかし、そうした契約率の上昇傾向は最近になって少し鈍化傾向にあります。さらに、今でも素材によっては分別収集していない市町村が存在することも事実です。私個人としては、分別をすることがごみの発生抑制にもつながるので重要だと考えていますが、サーマルリサイクルも選択肢のひとつとして勘定に入れるべきと考える方たちも少なからずおられますので、一度しっかり議論して今後の方向性を決める必要があると考えています。特定事業者における変化といえば、平成17年度に容器包装リサイクルに関わる8団体がまとまって3R推進団体連絡会ができたことが大きいと思います。3R推進団体連絡会では3Rに関する自主行動計画を作成し、容器の環境配慮設計も提唱しています。それを契機に経営トップまでも環境へ配慮したものづくりを意識するようになっていきました。私たちがNPO活動をはじめた頃は、「みんなで分別をしっかりしましょう」という呼びかけまででした。しかし、リサイクルは分別収集して終わりというわけではありません。集めたものをどんなふうに資源化して何に再商品化するかという過程までがリサイクルなわけで、そのため私たちの活動もそうした過程に対してもアプローチするように変わっていきましたね。例えば、分別したものがどんな製品にリサイクルされているのかといった情報発信を行なうなど、リサイクル全体をカバーする啓発活動へと徐々に広がっていきました。容リ制度の中で、量的にも金額的にも大きな割合を占めるプラスチック製容器包装についてお話をいただきたいと思います。平成12年の容リ法の完全施行に伴ってスタートしたプラスチック製容器包装のリサイ高角20年の経過に伴い変化したことプラスチック製容器包装をどうするか鬼沢鬼沢小山佐々木花澤小山04

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