平成13年度 事業報告書
   
  総括的概要
   
   
1  「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイク ル法。以下「法」という。)が完全施行に移行してから2年目にあたる平成13年度において、当協会は特定事業者等から再商品化の委託を受け、全国1,726(前年度1,491) の保管施設を対象に入札選考作業を行い、特定分別基準適合物(無色のガラスびん、 茶色のガラスびん、その他の色のガラスびん、PETボトル、紙製及びプラスチック 製容器包装)ごとに再商品化事業者を選定・委託し、再商品化を実施しました。
 その結果、平成13年度の引取実績は前年度比でそれぞれ、ガラスびん全体で115. 8%、PETボトルで135.6%、紙製容器包装で192.9%、プラスチック製容器包装で251.5%でした。また、再商品化製品の利用状況においても順調な伸びが見られました。
2  再商品化事業の円滑実施に向け、業務システムの改善を行うとともに、当協会が委託するガラスびん、PETボトル、紙製及びプラスチック製容器包装の再生処理事業者を対象に、技術専門の機関に委嘱し、施設ガイドラインに基づき処理施設に対する現地調査を実施しました。
3  平成12年度に引き続き、農林水産省の委託事業として特定事業者に関する台帳の整備を行うとともに、識別表示実施事業者に関する情報の整備を行いました。
4  平成14年度の再商品化の実施に先立ち、当協会登録の再商品化事業者(ガラスびん140社、PETボトル60社、紙92社、プラスチック133社)を対象に、東京と大阪で入札説明会を開催しました。
5  商工会議所、商工会に再商品化委託契約に関する業務の一部を委託し、平成14年度における特定事業者との再商品化委託契約の申込・受付業務を実施しました。
6  シンポジウム、講演会、座談会等への講師派遣並びに新聞、テレビ、雑誌等を通じ、法の概要及び当協会の役割と業務内容の普及・啓発に努めました。
7  経済産業省の委託事業により『容器包装リサイクル促進啓発・普及パンフレット』、紙及びプラスチック製容器包装に係る『識別表示義務に関する解説用パンフレット』、容器包装リサイクル法に係る『周知リーフレット』及び『啓発ビデオ』を作成し、事業者、自治体等に配布し、容器包装リサイクルの普及啓発に努めました。
8  会報『再商品化ニュース』を発行し、賛助会員、特定事業者、市町村等に対し当協会事業の進捗状況等につき情報提供を行いました。また、当協会ホームページを通じ、効率的かつ多量な情報発信・普及啓発に努めました。
9  主務5省との連絡を緊密にするとともに、内外のリサイクル関係諸機関との交流・協力の推進に努めました。
10  PETボトルのリサイクル事情調査のため、米国を訪問、情報の収集に努めました。
11  賛助会員31社。賛助会費を当協会会報『再商品化ニュース』発行費用に充当しました。
平成13年度事業の総括的概要は以上のとおりです。

1.特定事業者等からの受託による分別基準適合物の再商品化の実施
 
(1) 平成13年度再商品化の実施
    当協会では、再商品化業務規程に則り、下記の再商品化委託単価(主務大臣の認可)のもとに、特定事業者等から委託を受け、ガラスびん(無色、茶色、その他の色)、PETボトル、紙製容器包装及びプラスチック製容器包装に係る分別基準適合物の再商品化を実施しました。[単位:円/トン]
  1) 再商品化委託単価
   
  委託単価
13年度
12年度
ガラスびん 無色
4,000
4,151
茶色
7,700
7,682
その他色
9,100
8,096
PETボトル
83,800
88,825
58,600
58,636
プラスチック
105,000
105,000
 
  2)契約状況について
  (a)特定事業者からの受託状況
    法に基づき再商品化の義務を負うガラスびん、PETボトル、 紙及びプラスチック製容器包装関連の特定事業者62,057社(12年度59,449社)から以下のとおり再商品化を受託しました。
   
  受託社数 受託予定量(トン) 受託予定金額(千円)
13年度
12年度
13年度
12年度
13年度
12年度
ガラスびん ガラスびん計
3,901
3,806
416,262
375,245
2,576,066
2,270,802
無色
3,337
3,208
205,579
184,713
822,314
766,744
茶色
1,798
1,722
116,760
92,992
899,053
714,368
その他の色
1,552
1,548
93,923
97,540
854,699
789,690
PETボトル
1,088
962
196,256
96,584
16,446,217
8,579,153
45,262
41,206
90,044
47,815
5,276,568
2,803,710
プラスチック
59,609
56,944
256,428
151,470
26,924,949
15,904,354
 
  (b)市町村負担分の受託(実績支払ベース)
    再商品化の義務が免除されている小規模事業者分については、その処理費用は市町村の負担とされています。
以下は、当協会が再商品化業務契約を締結し、上記再商品化委託単価により再商品化を行なった市町村からの受託状況です。
   
  受託量実績(トン) 受託金額(千円)
13年度
12年度
13年度
12年度
ガラスびん ガラスびん計
34,386
29,617
245,752
206,031
無色
8,557
7,027
34,325
29,172
茶色
17,082
14,578
131,709
111,993
その他の色
8,747
8,012
79,718
64,866
PETボトル
1,211
889
117,502
87,537
1,508
667
88,426
39,123
プラスチック
12,464
3,862
1,308,788
405,573
 
  (c)市町村との契約状況及び保管施設
    当協会との間でガラスびん、PETボトル、紙及びプラスチック製容器包装の分別基準適合物の引渡に関する業務実施覚書を締結した市町村及び保管施設は以下のとおりです。
     
   
 
市町村数
保管施設数
契  約
実  績
契  約
実  績
13年度
12年度
13年度
12年度
13年度
12年度
13年度
12年度
総数
2,441
2,129
2,354
2,086
1,726
1,491
1,686
1,445
ガラスびん
1,731
1,464
1,683
1,430
961
855
942
827
PETボトル
2,079
1,762
2,042
1,707
1,189
1,025
1,157
985
148
112
131
83
105
81
88
61
プラスチック 
732
493
673
435
463
326
285
427
   

 
市町村からの引取量(トン)
引取達成率(%)
引取予定量(a)
引取実績量(b)
(b)÷(a)
13年度
12年度
13年度
12年度
13年度
12年度
ガラスびん
412,197
353,806
325,344
280,878
78.9
79.4
 無 色
130,748
112,668
97,100
79,836
74.3
70.9
 茶 色
160,190
135,013
129,892
111,199
81.1
82.4
 その他の色
121,259
106,125
98,352
89,843
81.1
84.7
PETボトル
149,740
72,787
131,027
96,652
87.5
132.8
25,114
17,859
21,685
11,243
86.3
63.0
プラスチック(1+2)
236,444
106,418
168,681
67,080
71.3
63.0
1.プラスチック
233,312
104,165
167,694
66,421
71.9
63.8
 材 料
34,453
21,147
21,678
11,701
62.9
55.3
 油 化
22,373
10,907
18,059
7,453
80.7
68.3
 高 炉
73,808
43,993
58,596
34,403
79.4
78.2
 コークス
83,908
22,899
57,502
11,199
68.5
48.9
 ガス化
18,770
5,219
11,859
1,666
63.2
31.9
2.トレイ
3,132
2,253
987
657
31.5
29.1
 材 料
2,880
2,220
887
642
30.8
28.9
 油 化
252
33
100
15
39.7
45.5
     
  (d)再生処理事業者の入札登録・落札状況
    再商品化の入札を希望する再生処理事業者を官報公告することにより募集し、事業 者登録を行いました。確定した登録事業者を対象に保管施設ごとにガラスびん(無色、茶 色、その他の色)、PETボトル、紙及びプラスチック製容器包装の再商品化の一般 競争入札を行い、ガラスびん101社、PETボトル51社、紙22社及びプラスチック65社 を選定し、再商品化実施契約を締結しました。入札登録・落札状況は以下のとおりです。(単位:社)
   
 
登録申込
登録(確定)
落札
13年度 12年度 13年度 12年度 13年度 12年度
ガラスびん 126 113 124 107 101 87
PETボトル 100 97 51 44 51 42
223 501 177 406 22 21
プラスチック 143 150 112 101 65 41
なお、ガラスびんについては、再商品化製品(カレット)の販売につき利用事業者に対し競争入札を行った結果、ガラスびん用途13社、その他の用途79社の計92社が落札しました。
 
  3)再商品化製品の利用状況(単位:トン)
    ガラスびん
   
 
13年度(92社)
12年度(80社)
304,764 (100.0%) 264,688 (100.0%)
内訳 ガラスびん製造用 180,083 (59.1%) 161,988 ( 61.2%)
その他の用途
(舗装用骨材、タイル・ブロック、ガラス繊維等)
124,681 (40.9%) 102,700 ( 38.8%)
    PETボトル
   
 
13年度(延べ169社)
12年度(延べ184社)
94,912 (100.0%) 68,575 (100.0%)
内訳 繊維
(ユニフォーム、カーペット等)
48,696 (51.3%) 38,317 (55.9%)
シート
(卵パック、ブリスターパック等)
37,510 (39.5%) 23,407 (34.1%)
ボトル(洗剤等) 381 (0.4%) 326 (0.5%)
成形品(植木鉢等) 5,330 (5.6%) 3,802 (5.5%)
その他(結束バンド等) 3,032 (3.2%) 2,723 (4.0%)
    紙製容器包装
   
 
13年度(21社)
12年度(19社)
20,793 (100.0%) 10,230 (100.0%)
内訳 製紙原料 15,301 (73.6%) 4,546 (44.4%)
製紙原料以外の材料 1,196 (5.7%) 2,566 (25.1%)
固形燃料 4,295 (20.7%) 3,118 (30.5%)
    プラスチック製容器包装
   
 
13年度(135社)
12年度(57社)
118,470 (100.0%) 43,830 (100.0%)
内訳 1.プラスチック 117,598 (99.3%) 43,296 (98.8%)
 材料(擬木、車止め等) 9,246 (7.9%) 4,882 (11.1%)
 油化 7,886 (6.7%) 3,348 (7.6%)
 高炉 42,306 (36.0%) 24,656 (56.3%)
 コークス 50,631 (43.0%) 9,771 (22.3%)
 ガス化 7,529 (6.4%) 638 (1.5%)
2.トレイ 872 (0.7%) 533 (1.2%)
 材料
 (日用雑貨品、トレイ等)
777 (0.7%) 520 (1.2%)
 油化 95 (−) 13 (−)
 
  4)再商品化委託料金の精算
     再商品化受託料金の精算については、特定分別基準適合物ごとに特定事業者からの再商品化予定受託料に対する再商品化実績費用を計算し、個々の特定事業者ごとに精算額を確定のうえ、過不足に応じて次年度の再商品化委託料金と加減し、精算します。
 なお、平成13年度の再生処理事業者への支払い対象量(「販売量」+「残さ」)は、ガラスびん322,821トン、PETボトル131,202トン、紙21,290トン、プラスチ ック168,015トンでした。
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(2) 再商品化業務システムの改善
     再商品化の義務の代行を効率的に行い、当協会の組織の合理化を図るため、市町村、特定事業者及び再商品化事業者に対する契約条件、契約書類等の内容面での見直しを行うとともに、入札・契約業務、入金・支払業務等に関するシステムの改善に努めました。
(3) 設備審査の実施
     当協会ではガラスびん、PETボトル、紙及びプラスチック製容器包装の再商品化事業者を入札・選定するにあたり、再生処理施設等が所要の水準にあるか否かを事前に審査することとしています。審査の実施に当たっては、その審査が合法的、かつ公正・透明性のあるものであることを確保するために、第三者の技術専門機関に委嘱し、再生処理施設等の施設ガイドライン等に基づき審査を実施しています。
 平成13年度において、平成14年度再商品化対象登録申請事業者の中から、ガラスびんは36社36施設、PETボトルは50社59施設、紙は11社15施設、プラスチックは71社72施設に対し現地調査を行いました。    
 なお、紙の施設ガイドラインについては、平成13年4月〜6月にかけ関係者・専門家による小委員会を設置(委員長:鍋島元玉川大学教授。オブザーバー:主務5省)し、実態調査・検討を行い、内容充実のための改訂を行いました。
 また、プラスチックの施設ガイドラインについても、現行収率を実態に即した収率に見直すべく関係者・専門家による検討委員会を設置し、実態調査に着手しました。

(4

指定保管施設における分別基準適合物の品質調査の実施
     再商品化を円滑に実行するためには、各指定保管施設から引取る分別収集品が一定の品質基準を満たしていることが肝要なことから、PETボトル事業部では、平成12年度に引き続き、今後の分別収集品の品質向上のための情報共有化を図る目的で、引き取り・再生処理を行っている事業者の協力を得て、市町村の立会いを求め、分別収集品の品質実態調査を実施しました。
 再商品化に支障をきたす可能性のあるもの(評価Dランク)の施設構成比が、前年の10.0%(トン数では18.3%)から9.6%(トン数16.3%)へと0.4%減少(トン数では2%減少)し、市町村の取り組みが向上しました。Dランクとなった103施設に対し改善計画の提出を求めました。住民への啓発活動、作業改善、減容機の導入計画、施設改善計画等の対応が挙げられており、今後の向上が期待されます。調査の結果については、関係市町村に報告し、協会ホームページに掲載し、公表しました。
 プラスチック容器事業部では、平成14年度より保管施設におけるベールの品質調査(評価)を行うことを目的に、評価基準作成のため、当協会と引き取り契約を結んでいる一部市町村の協力を得て、予備調査を実施しました。
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(5)
特定事業者関連情報整備等調査(委託事業)
     農林水産省の委託事業として、平成12年度に実施した特定事業者等の情報を最新の商用事業者データベース(ダン・アンド・ブラッドストリート社の情報)や、当協会に申込を行った事業者等の情報により更新し、新たに特定事業者候補となる事業者について、事業者名、住所、電話番号、業種、資本金、従業員、売り上げ等の項目ごとに分類しました。また、平成12年度に実施した特定事業者等の情報をベースに、紙及びプラスチックに係る識別表示を実施しているかどうかについてアンケート調査を実施し、識別表示を行っていると回答した識別表示事業者の情報を整備しました。
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(6

平成14年度再商品化への取り組み
     平成13年度再商品化業務と並行して、平成14年度再商品化に向けた種々の準備作業を行いました。
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(7) 商工会議所・商工会等への契約代行業務の委託
     平成14年度における再商品化の実施にあたり、特定事業者との再商品化委託申込み及び再商品化委託契約に関する業務の一部(再商品化委託料金の収受は除く)を日本商工会議所・商工会議所及び商工会連合会・商工会へ委託しました。
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