容器包装リサイクル法および関連法令集

関連通知
段ボールの取り扱いについて

平成十一年十二月


1 .背景

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(以下「容器包装リサイクル法」という。)において、段ボールについては、従来より自治体・子供会等で回収され、問屋で選別され圧縮されたものを製紙メーカーが有価で購入していることから、同法第2条第6項で法の適用除外としたところ。(なお、万一容器包装リサイクル法対象で分別基準適合物の段ボールが有償又は無償で譲渡できない場合に対応できるよう、段ボール関係の製造・利用事業者等の関係団体等が、段ボールに関して「ボランタリー宣言」及び「段ボールリサイクル協議会(仮称)」を設立することとしている。)
このような中、「中しん」、「ライナー」を使用したものについては段ボールとみなされ、容器包装リサイクル法の適用除外になるのではないかとして、一部の企業から、問い合わせや判断を求めて来ていることから、以下の通り、段ボールの取り扱い基準を再確認する。

2 .段ボールの取扱い基準

(1)分別基準の運用方針の段ボールの定義

「プラスチック製容器包装及び紙製容器包装の分別基準の運用方針」の中の「段ボール製容器包装の分別基準」においては、段ボールを以下のように定義している。
・「段ボール製容器包装を構成する段ボールとは、JISZ0108にその定義があり、波状に成形した板紙(「中しん」といわれる。)の片面又は両面に板紙(「ライナー」といわれる。)を貼り合わせてものをいう。」

(2)段ボールの定義の解釈

  1. 上記の通り、段ボールとは、「中しん」と「ライナー」を貼り合わせたものであり、「中しん」だけのものや「ライナー」だけのものは、段ボールとみなされない。
  2. また上記方針に規定する「板紙」とは、JISZ0108の番号2002で規定される板紙のうち、通産省統計分類における「板紙の品種分類表」の「段ボール原紙」を段ボールの板紙に該当するものと解釈し、「紙器用板紙」等に分類される板紙は、段ボールを構成する板紙とは解釈しない。
    すなわち、上記に規定する「中しん」とは、JISZ0108の番号2015(中しん原紙)に規定する板紙のうち、段ボール原紙で作られた板紙を指し、また「ライナー」とは、JISZ0108の番号2014(1)(ライナー(1))に規定する板紙のうち段ボール原紙で作られた板紙を指す。
    従って、段ボール原紙のライナー(外装用、内装用)と中しん(パルプしん、特しん)から構成されるものが段ボールとみなされる。
  3. ただし、贈答用箱のように、「片面段ボール」(1枚のライナーに波形状に形成した中しん原紙をはり合わせた段ボール(JISZ0108の番号2019))のもう片面にライナーの代わりに、白板紙等の「紙器用板紙」を貼り合わせたものについては、紙と段ボールの複合品とみなし、段ボール原紙と紙器用板紙のそれぞれの重量を量り重い方に分別することとする。
(参考事例)

段ボールの判断について(具体的事例)
1.紙器箱の内側の側面、底板及び側面底板と一体的に利用している段ボール・紙器箱は、通常紙器用板紙から構成されているが、紙器箱の一部に以下のような形態で段ボールを利用している場合がある。
 (1)紙器箱の側面に、薄い紙器用板紙に加え、段ボールで補強しているもの。
 (2)紙器箱の底板に紙器用板紙に代えて、段になった時の高さが0.5mm〜1mmの段ボールを利用しているもの。
 (3)紙器用板紙の内側に、段ボールを利用したもの。
 このような紙器箱については、それぞれ、段ボールと紙器用板紙が分離可能な場合は、他の多重容器包装の取扱いと同様、消費者はこれらを分離して排出するものと想定し、紙器用板紙の部分のみ再商品化義務が課され、段ボール部分については、再商品化義務は課されない。
一方、段ボールが紙器用板紙と分離できないように製造されている場合は、「段ボールの取り扱いについて」(2)の3.に基づき判断する。

2.紙器箱、缶箱等の仕切材及び緩衝材
 チョコレート、クッキー等を入れた箱で、下箱との緩衝、品物の間の仕切・緩衝及び上箱との緩衝の目的で波形に成形した中しんを利用したものがある。
これらの仕切材、緩衝材については、「段ボールの取り扱いについて」 (2)の1.、2.及び3.に基づき判断する。
すなわち、波形に成形した中しんのみのものは、その素材が段ボール原紙であっても「段ボールの取り扱いについて」(2)の1.に基づく解釈から、段ボールではないと解釈される。
また、通常「片面段ボール」と云われる形状の仕切材、緩衝材等については「段ボールの取り扱いについて」(2)の2.、3.に基づき、素材が「段ボール原紙」か、あるいはそれ以外の「紙器用板紙」や「包装用紙」等であるかで判断する。
したがってその素材が紙器用板紙や包装用紙等であれば、これらの仕切材、緩衝材については再商品化義務が課せられる。

3.蜂の巣(ハニカム)状に使用された緩衝材等
 段ボールは通常波形に成形した中しんと言われる波状のものの山と谷の部分にライナーを貼り合わせたものであるが、一部に波形に成形した中しんを細く切断して、段頂部どうしを貼り合わせて積み重ねて蜂の巣状にしたものに、通常の山と谷の部分とは異なり、その横側にライナーを張り合わせたものである。
このような緩衝材については、貼り合わせ方法が山と谷の部分ではないものの、「中しん」の両面に「ライナー」を貼り合わせたものであることから、これらが段ボール原紙を素材としている限り、段ボールであると解釈される。(ここで、中しんの「面」とは波の山と谷の部分だけではなく、切りあわせた横の部分も含むものと解釈される)
なお、その素材が段ボール原紙以外の場合は「段ボールの取り扱いについて」(2)の2.、3.に基づき判断する。


  公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会