日本容器包装リサイクル協会ニュース No.47 The Japan Containers and Packaging Recycling Association
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「容器包装リサイクル」講座
委託料はどうやって決まるの?
事業者の皆さまに申込みいただくリサイクル(再商品化)の委託料金は、どのようにして決まるのでしょう。そのしくみについてご説明します。
登場人物紹介 食品メーカーパッケージ担当 容輔くん スーパー総務部 まいさん 市役所資源リサイクル課 清ニくん 日本容器包装リサイクル協会 琴平リサ(2代目) 容器包装リサイクルのガイド役です
特定事業者全体で義務を負う量、「再商品化義務総量」
リサ 容器包装のリサイクル(再商品化)は、容器包装リサイクル法(以下、容リ法)という法律に基づいて行なわれています。毎年、リサイクルの義務のある事業者全体で果たすべき量として、国によって「再商品化義務総量」が決定されるところから始まります。
まい 事業者全体の義務量ですか?
リサ 日本全体で、容器包装のリサイクルに取り組むというのが容リ法の考え方です。
まず、その年に全国の市町村がどれだけ容器包装を集めるのかという「分別収集計画量」と、実際にリサイクルを行なう再生処理事業者全体のリサイクルする能力を示す「再商品化見込量」を比べて、少ない方の数字がもとになります。
清二 少ない方の数字をもとにするというのは、たくさん集めても能力以上はリサイクルできないし、どんなに設備能力があっても収集した量までしかリサイクルできないから、ですね。
リサ そうです。さらに、分別収集する容器包装には、リサイクルの義務のない小規模事業者の分が含まれていますので、それを除く計算をします。具体的には「特定事業者責任比率」をかけて、事業者全体が義務を負う量、すなわち「再商品化義務総量」が国によって毎年設定されます。
容輔 その「特定事業者責任比率」というのは、誰が決めているのですか?
リサ 国が行なう実態調査(★1)と分類調査(★2)の結果を踏まえて、毎年、素材・品目ごとに国が決定します。
「再商品化義務総量」の算出例
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まい ところで、小規模事業者の分は誰が負担するの?
清二 市町村が収集量の全量(=小規模事業者分を含めた全量)を協会へ引き渡す場合は、市町村ですよね。
リサ 小規模事業者分のリサイクルの委託費用を、協会は市町村に請求します。詳しくは、<No.46:お答えしますホットライン>をご覧ください。
★1 実態調査:「容器包装利用・製造等実態調査」
★2 分類調査:「容器包装廃棄物分類調査」
●「算定係数」の考え方
「算定係数」は、いわば事業者全体で家庭向けに販売した商品に使われた容器包装のうち、家庭からごみとして排出される見込みの量に対する「再商品化義務総量」の割合のことです。個々の事業者にも同じ比率を適用します。
仮に日本全体の排出見込量が100万t、事業者全体で負担すべき「再商品化義務総量」が90万tとします。
すると算定係数は、90万t÷100万t=0.9。
A社の排出量が50tなら、さきほどと同じ算定係数0.9を使って、同社の義務量は、50t×0.9=45tとなります。
義務総量をみんなでシェアする、それが容リ法の基本の考え方です。
「委託料」の考え方
まい さっきの「再商品化義務総量」って、うちの会社と、どう関係するのですか?
リサ 容リ法は、家庭で使った容器包装を市町村が分別収集して、事業者が費用を負担してリサイクル(再商品化)をするというのが趣旨です。
容輔 協会に支払う委託料というのが、わが社の費用負担分ということですね。
リサ 個々の事業者にお支払いいただく委託料は、容器包装を直近年度に販売した商品に使った量や製造した量、年度ごとに出される算定係数と実施委託単価を用いて算出します。
排出見込量×算定係数×実施委託単価=実施委託料
まい ところで、具体的な「算定係数」は、業種ごとに細かく決められているようだけど、それはどうやって決まるのかしら?
リサ まず、素材ごとの全国トータルの義務総量を「容器」・「包装」別、「業種(用途のこと)」別、「利用事業者(中身メーカーなど)」・「容器製造等事業者(容器メーカーなど)」別に按分し、それぞれの業種(用途)における義務の総量が算定されます。その業種(用途)全体の排出見込量に対する義務量の割合として「算定係数」が定められます。
(●プラスチック製容器包装を利用する食品メーカーでの例)
そのもととなるそれぞれの按分の比率は、例年秋に開催される経済産業省の産業構造審議会で審議され、決定されます。
「自主算定係数」と「簡易算定係数」の違いとは
自主算定方式
簡易算定方式
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まい 算定係数には「自主算定係数」と「簡易算定係数」があるんですね。申込用紙やホームページを見ると、「自主算定方式」と「簡易算定方式」があって、それぞれに算定係数があります。
容輔 さきほどの委託料の計算式にあった、「排出見込量」に関係することですか?
リサ そうです。事業者が協会に委託する量を算出する際には、用途ごとの販売総量から、家庭から出されるごみにならないと見込まれる分を差し引くことが必要です。
容輔 家庭で消費しない分というのは、飲食店などに向けた業務用ということですか?
リサ はい。それらは事業系ごみとして扱われます。
「事業系」分の量を自社で算定できる場合は、「販売総量」から「自主回収」分と「事業系」分を差し引き、その量に「自主算定係数」をかけて再商品化義務量(委託量)を算出します。
まい 「事業系」分がわからない場合はどうしたらいいのですか?
リサ その場合は、「販売総量」から「自主回収」分を差し引いた量に「簡易算定係数(*1)」をかけて算出します。
いずれの場合も「自主回収」分がわからない場合は「自主回収」分を「0」とします。
用語説明 *1:簡易算定係数
業界全体での平均的な事業系比率を「自主算定係数」にかけたものといえる
支出見込額と委託見込みから「実施委託単価」を算出
リサ 「再商品化義務量」が出たら、「実施委託単価」をかければ「再商品化実施委託料」が計算できます。
この「実施委託単価」は、協会がその年度の状況を見込んでさまざまな指標をもとに、「予定単価」として算出したものです。
清二 どうやって単価を決めるんですか?
リサ 翌年度の再商品化事業者への支払額を予測し、さらに協会経費を見込みながら協会としての支出見込みを算出した上で、特定事業者と市町村からの委託申込みの見込量で除して、単価を設定します。
容輔 予算を立てながら単価を決めるということですね。景気動向とかでリサイクルの需要や費用も変わるでしょうね。


リサ そうです。再商品化事業者への支払予測額は入札の落札価格を見込んだ上で、市町村からの引取見込量を乗じて算出します。
そして協会経費は、翌年度の事業計画にもとづいて必要な額を適正に見込みます。
まい 市場の分析や予測が必要なんですね。
リサ 収入についても説明させてください。
支出見込額をまかなうだけの収入が必要になるわけで、「実施委託単価」と特定事業者と市町村からの申込の合計のかけ算で見込むことになります。特定事業者の申込見込量は、その年度の「再商品化義務総量」をもとに、これまでの動向などを参考に予測しています。
容輔 つまり、わが社など事業者が支払う際の委託単価は、支出見込額と委託見込量の割り算で算出しているんですね。
まい ああ、なるほど。
リサ なお、「実施委託単価」は予定単価です。年度が終了して決算を行なって、余剰が生じれば特定事業者に返還しますし、不足があれば追加徴収させていただきます。ご了承ください。
精算は翌年度の7月に行なっています。
「算定係数」「委託単価」と「委託料」の関係
まい 「算定係数」と「実施委託単価」って、毎年、変わるんですよね。
リサ 食品メーカーの容輔さんの会社を例に、18年度と22年度でご説明しましょう。
●プラスチック製容器包装を利用する食料品メーカーでの例
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容輔 わが社は、プラスチックの利用事業者になります。
あれ? 上の表によると、22年度の算定係数は、18年度の1.45倍にもなるの?
リサ これは、算定係数の構成要素((1)〜(5))のうち、(1)再商品化義務総量が、1.32倍と大きく増加しているためです。
清二 市町村のプラスチックの分別収集量が増えているということですね。
容輔 「委託単価」は、0.6倍、約半分にまで下がったんですね。
リサ 健全なリサイクルの実現のため、協会が落札単価の適正化に取り組んできた成果といえます。
まい 事業者が支払う「委託料」は、どう変化していますか?
リサ 販売総量、自主回収分、事業系分が全て同量だった場合、自主算定方式で18年度と22年度の委託料を比べてみましょう(下図参照)。
●18年度と22年度の排出見込量が同量であった場合の委託料を比較(プラスチック製容器包装を利用する食料品メーカーでの例)
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清二 「算定係数」が大きく増えたので、「再商品化義務量」は増量となった。一方で「委託単価」は下がり、最終的に「委託料」はそんなに変わっていませんね。
容輔 いやいや、排出見込量が70tとして、およそ50万円の減額。計算してみたら、なんとマイナス14%になるよ。
リサ プラスチックの場合はそうですが、素材ごとに状況は違います。
まい 「算定係数」が大きくなったといっても、単純に委託料が増えるというわけではないんですね。
リサ 委託料がどうやって決まるのか、わかっていただけて、よかったです。
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編集・発行/(財)日本容器包装リサイクル協会