日本容器包装リサイクル協会ニュース NO.36
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特集 プラスチック分別収集物の品質の改善に向けて
現場訪問 大幅に改善されたベール品質 広島県福山市
福山市の職員のみなさん
「今や、ベール品質には絶対といえる自信があります」と語る環境部長の松浦さん(左端)はじめ福山市の職員のみなさん
 平成17年12月、協会は広島県福山市に対して、次年度分のプラスチック製容器包装の引取りをお断りしました。ベール品質調査結果に基づいて要請していました品質改善が、期待されるまでに進まなかったためです。協会にとっても初めての事例でした。
 人口47万人の同市にとり、それは大きな負担となりましたが、徹底した改善に取り組まれ、容器包装比率99.4%の高品質を達成、半年後の18年10月、協会は引取りを再開しました。協会に引き渡される容器包装プラスチックごみは、670トン/月(17年度)から、改善後は400トン/月(18年度)へと大幅に減少しました。同市の取り組みをお知らせします。
福山市の概要と取引再開までの経緯
17年度までは、混合収集と機械選別
 福山市は、全国でも早い時期からプラスチックのリサイクルに取り組んできた市です。瀬戸内海に面して立地するJFEの製鉄所での高炉還元剤とするケミカルリサイクルを進めるべく、平成12年にリサイクル工場が稼動しました。
 家庭から出されるプラスチックは、生活系のものと容器包装が一緒に混合収集され、市の施設ですべて機械選別して、「PETボトル」「その他ボトル系」「フィルム系(袋など)」の3種類のベールをつくる方式をとってきました。
 その後、合併による人口増加でごみの搬入量が増え、機械選別の能力がそれに追いつかず、またリサイクルに向けた高い品質要求に対応することが難しくなっていました。
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協会から改善要請を受けたが・・・
 平成17年7月、プラスチック製容器包装のベール品質調査の結果、福山市はフィルム系のベールの容器包装比率が78.6%〜59.1%と、目標(90%以上)に遠く離れており、協会は福山市に対し改善を要請しました。11月、再び品質調査をしましたが、はかばかしい改善は見られませんでした。
 「従来の機械選別の精度を上げるにも限界があり、大幅な改善をしようにも、すぐには予算措置がとれず、12月、次年度引取り拒否の通知を受け取ることになりました」と福山市環境部長の松浦良彦さんは振り返ります。
 当初は、「いざとなったら、ごみ固形燃料工場でRDFにすればいいだろう」と楽観視する向きもありましたが、カロリーが高過ぎ、それはできず、収集したプラスチックごみ(フィルム系)は、毎月400トンが処分場に埋め立てられていきました。市民からは、「分別しているのに、リサイクルできないとは!」と声が上がりました。
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容器包装プラスチックのみの分別収集に変更
 平成18年4月、福山市は、市民が排出する時点で、「容器包装プラスチックごみ(PETボトルを含む)」のみを収集し、また汚れたものは「燃やせるごみ」として収集することに分別方法を変更しました。
 市民への啓発には、地域の自治会などに環境部の約300人の全職員を総動員、地元メディアの協力的な報道も力となりました。
「容器包装プラスチックって何?」という市民の戸惑いもあり、[プラ]マーク、[PET]マークの周知に力を注ぎました。汚れたものは「燃やせるごみ」としたのはわかりやすい、という市民の声もあります。一方で、安易に「燃やせるごみ」として排出しないように啓発することも必要になっています。
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手選別ラインを新設
 8月には手選別ラインを新設、12人を配置し、徹底して異物の除去に努めました。既存の設備を稼動しながらのライン新設は容易ではありませんでしたが、現場を熟知した協力会社の技術とノウハウの貢献も大きかったといえます。さらに、事業系のプラスチックごみは受け付けないこととし、施設搬入時にチェックすることで、事業系ごみの混入を避けられるようになりました。
 品質改善が確認され、平成18年10月、引取りが再開されました。以降も、市は自主的に定期的な品質検査を行い、協会宛に連絡しています。また、手選別を担当する職員による品質管理など日々の努力によって、高い品質が維持されています。
《福山市の品質改善の取り組み》
市民による排出
リサイクル工場での処理
●市民向け啓発
住民説明会(小学校単位で自治会・女性会を対象に開催)
出前講座(学校などを対象に開催)
分別変更チラシ・分け方ガイド(全戸配布)
ごみ集積場に分別変更の告知貼付(全ステーション)
分別変更に伴うステーション看板の作成、設置
収集時の指導
広報誌に特集記事掲載
啓発ビデオの作成、配布(全公民館、全コミュニティセンター)
メディア(テレビ・ラジオ)による啓発
福山市ホームページによる啓発
議会などへの説明 など
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編集・発行/(財)日本容器包装リサイクル協会