リサイクルにはディスクロージャーの徹底を(08/03/27)
2007年6月から連載してきたこのコラム、いったん今回でラストにします。
連載最後には社会全体のリサイクル制度が今後さらに充実したものになるために、必要な視点を書いておこうと思います。
2004年4月に専務理事に就任して4年間、情報開示に注力してきました。
まず手かげたのが落札結果の公表です。2005年4月、(財)日本容器包装リサイクル協会ホームページで初めて公表、以来毎年公表して今年4月が4回目になります。各市町村の保管施設ごとに、落札価格、落札トン数、再商品化事業者名、再商品化手法などを掲載しています。落札価格とは再商品化事業者に協会が支払う金額の単価のことです。
続いてリサイクルの行き先である利用製品(プラスチック)の公表(2006年7月)、各市町村との引渡し契約量・実績量(2007年7月)を情報開示しました。いずれも協会のホームページから、どなたでも見ることが可能です。
そしてディスクロージャーの最後の課題として現在取り組んでいるのが、委託料金の公表です。これは2007年度分の実績を2008年秋に公表しようと考えています。
再商品化して製品を写真入りで紹介。4月からはプラスチックの分別収集された容器包装ごみが、最後にどんな最終製品になるのか、保管施設ごとに一目で把握できるようになる
委託料金とは、協会が特定事業者(容器包装リサイクル法<容リ法>で再商品化<リサイクル>義務を負っている事業者)の方々から預かるリサイクル委託のお金のことです。
昨年夏、特定事業者2万3,043社宛てに、再商品化委託料金を公表してもよいかどうか、を尋ねた意向照会状を出しました。現在までに公表に同意された事業者は6,523社に上っています。
逆に、公表しないでくれ、というのは54社に過ぎません。残り1万数千社からは現時点では返事がありませんので、2008年5月ごろに再度公表をしてよいかどうかを尋ねる予定です。
とにかく6,000社でも公表に踏み切れば、今後公表企業数はどんどん増えると思います。
ガラスびん(無色、茶色、その他)、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装といった素材別に個々の特定事業者がいくら払っているかを公表するのです。
情報開示は国民(=消費者)の利益に合致しています。また 委託料金を公表した企業は、容リ法が定めたリサイクルシステムの枠内で、きちんと社会的責任を果たしている、ということを訴えることができるのです。
季刊で出している協会の会報。外部編集委員の意見も反映
以前、このコラムで書きましたが、再商品化事業者選定の際には透明性の高い一般入札をやっていますよ、と説明しました。しかし、入札は透明であっても、きちんと分別収集したごみが、どの再商品化事業者の手に渡り、どういう製品に再商品化されているのか、明確でなかったのも事実です。
それを象徴するように、2002年にプラスチック再商品化の分野で詐欺事件が発覚しました。協会が市町村から引き取った容器包装廃棄物の再商品化を委託している再生処理事業者の一部で、未処理にも関わらず、再商品化費用を詐取していたことが判明したものです。
この不正事件の反省を踏まえ、協会は、不正を排除するしくみの構築に向けて、登録審査を厳格化するなど様々な再発防止策を徹底していることはお伝えしました。
再発防止策と並行して進めたのが情報開示です。
年に4回出している会報「日本容器包装リサイクル協会ニュース」についても、NPOや市町村の方を編集委員として委嘱して集まってもらい、協会の広報活動が外からどう見えているのか、意見をいただいています。
委嘱当初は、それまでの協会の閉鎖性を指摘されることも少なくありませんでしたが、最近では情報開示が進んできた、と評価されています。
4月には、プラスチックの分別収集された容器包装ごみが、最後にどんな最終製品になるのか、保管施設ごとに利用事業者まで一目で把握できるような表をホームページに掲載する方針です。
古紙偽装問題では「R100」と書いてあってもそれがウソでした。あくまで製紙会社の古紙配合率の虚偽表示の問題ですから、集めた紙が再生されていなかったわけでなく、協会は直接的な関係はありませんが、リサイクル全体に対する疑心暗鬼が広がったのは事実だと思います。
古紙リサイクルに限らず、世の中のリサイクル制度のすべては、性善説に基づいています。その性善説を裏付けるものとして不可欠なのが、情報開示です。
日本容器包装リサイクル協会では、今後も積極的な情報開示に努めていきます。
[2008年3月27日/Ecolomy]
