10年実績データブック

素材ごとに見る10年の成果と課題(紙製容器包装)

排出量に比べ極めて少ない引取量

 紙のリサイクルは、容リ法がスタートする前から、新聞、雑誌、段ボールなどについては長い歴史と実績があります。
 紙製容器包装のリサイクルは、製紙原料への選別と製紙原料にできないものを固形燃料化するという2段階があります。製紙原料も固形燃料も、需要は非常に大きく、リサイクルはスムーズに進んでいます。しかしながら、製紙業界で必要としている古紙は2,000万トンといわれている中で、容リ法の紙製容器包装の引取量は、紙製容器包装リサイクルが始まった平成12(2000)年度の1万1,000トン程度からここ数年は3万トン弱の状態が続いています。
 分別収集計画の10数万トンに対し協会引取量が少ない原因は、独自処理でリサイクルしている市町村が多々あるためと言えます。また、3万トンの内の約半数が名古屋市からのもので、特定の市に依存しており名古屋市の動向が協会全体の動向に大きく影響を与えるという構図になっています。

95%を製紙原料として利用

 紙製容器包装の品質は、リサイクルの支障となるようなものはほとんど出て来ず比較的良好ですが、段ボールなど再商品化の義務の対象外である古紙の混入が、まだ見られます。
 協会が引き取った紙製容器包装は、北海道でごく一部家畜用敷き藁代用にされている他は、すべて国内の製紙、セメント会社で再商品化されています。再商品化製品の用途は平成12年度のスタート時には約45%だった製紙原料(主に段ボールの中芯)としての利用が平成18年度には約95%を占めるまでになりました。「紙に戻す」理想的なリサイクルといえます。(下記マテリアルフロー参照)
 固形燃料(RPF)については、大手製紙メーカー1社の1工場で年間10万トン強程度の需要があるといわれているのに対し、供給量が平成18年度で1,360トンと極めて少ないのが現状です。

今後は抜本的な再検討を

 古紙は、容リ法施行以前からリサイクルされてきた上、近年の古紙価格急騰により紙製容器包装についても、市町村が独自処理に変更する可能性があるとともに、雑紙の一種として中国への輸出の増加が見込まれ、協会の引取量が減少することも予想されます。
 古紙の需要が旺盛なことから、入札における競争は激化しており、再商品化事業者の平均落札単価は平成18年度の5,400円/トンから平成19年度には一部0円入札も発生し平均で2,200円/トンにまで低下しています。
 紙製容器包装リサイクルについては、全国で100万トンと推測されている総排出量に対して、市町村で分別収集される量が圧倒的に少なく、協会に引き渡される量がわずか3万トンレベルに留まっています。このことは、一般の紙といっしょに雑紙として収集してリサイクルできる素材を、「容器包装」だけ取り出して収集しようということそのものに対する問題提起ともとれます。市町村の紙製容器包装としての収集量が増えない(市町村が取り組まない)要因もそのあたりにあるのではないかと推測されます。次の見直しの際には、こういった観点からの議論も必要と思われます。

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