日本容器包装リサイクル協会ニュース No.75
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容リ協ニュースNo.75 May 20179❶❷ 2006年には物流部門を中心としたリデュース活動もスタートしています。「運送時に使用する段ボール製外箱は、個々の商品に合わせて生産工場がサイズを決めるやり方だったため、運搬時に商品を載せて運ぶパレットとサイズが合わず、隙間のある積み方となっていました」(小宅さん) そこで、国内はもとより、海外の各事業所で使用されているパレットの大きさを調べ、最もスタンダードなパレットサイズから最適な外箱サイズを設計し小型化することで、隙間を最小限にしたパレットに積み上げられるように改善しました。「その結果、サケ加工品のケースで、冷蔵倉庫保管なら17%、船舶コンテナ内なら9%従来に比較して積載率が向上し、輸送車両や冷蔵倉庫内スペースの効率化によるCO2排出量の削減が実現できました。もちろん、外箱のダウンサイジングで包装資材も削減されたことはいうまでもありません」(小宅さん) 2012年には、ニッスイのリデュース活動にとって重要なトピックスがありました。容器包装軽量化プロジェクトの立ち上げです。本プロジェクトには、資材調達部門がリーダーとなり、商品開発だけでなく、工場統括部署、営業といった様々な部門のスタッフが集結。それぞれの専門分野の視点から意見を出し合うことで、容器包装の軽量化はもちろん、より良いパッケージづくりを目指す組織として活動しています。齋藤さんもメンバーの一人で、法律、環境配慮面から本プロジェクトをサポートしています。 それまでも容器包装におけるリデュース活動は、2008年に「電気を使わないエコ調理」をキーワードに同社が日本ではじめて開発した冷凍商品「自然解凍でおいしい!」シリーズで、個分け用カップの材質をプラスチックから紙に変更。トレーの形状も変えることで1パック当たり20%の軽量化につなげる実績をあげていました。容器包装軽量化プロジェクトの発足によ部門横断の体制でリデュース活動を精力的に展開り、ニッスイにおけるリデュースは加速度的に発展させる成果をもたらすこととなりました。2015年には、人気の冷凍食品「白身魚とタルタルソースのフライ」  ではトレーのサイズを見直すとともに厚みもより薄く改良し、トレー全体で33.3%もの減量化を実現。容器包装の袋に使われていたアルミ素材も廃止するなど、多くのリデュースが実現しています。 当初は物流コストの削減を目的に始まったこうした取り組みは、商品の容器包装にも影響を及ぼし、容器包装軽量化プロジェクトによる取り組みとの相乗効果で、現在では全販売数量(水産品を除く商品カテゴリー全体)のうち85%に、ダウンサイジングが浸透するまでになっています。 今回お話をお聞きした齋藤さん、小宅さんが所属するCSR部は、事業を通じ社会的課題の解決に取り組む活動を強化するべく、今年3月に新設された部署です。現在、CSR部では食品ロスを重要な課題としてとらえ、その解決策の一つとして検討されているのが、容器包装の改善を通じて中身の賞味期限を少しでも長く延ばすこと。リデュースとともに、食品ロスの削減といった面からも容器包装のもつ可能性に期待が集まっています。❷容器包装軽量化プロジェクト営業部門CSR部門物流部門資材調達部門生産部門商品部門従来品「白身魚とタルタルソースのフライ」エコクリップ 使用商品R留め金を使わない!旧新

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