日本容器包装リサイクル協会ニュース No.75
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PETボトルは、家庭から収集された後、どのように利用されるのでしょう。今回は、PETボトルから「繊維」をつくり出す工場を訪問しました。できあがった高品質の繊維は、さまざまな製品に利用され身の回りで活躍しています。PETボトルが、ふんわりした風合をもつ色とりどりの繊維に変身!PETボトルのフレークから、こうして糸をつくりだす。 小山化学の工場は、家庭から各市町村が収集したPETボトルを、まずフレークにリサイクル(再商品化)。その後、フレークをポリエステル綿に加工します。できあがったポリエステル綿は、これを利用するメーカーなどに納入します。 小山化学のポリエステル綿は、クリンプ(縮れ)加工された短繊維です。独自開発の技術・ノウハウによるもので、製品の内側にクッションのように利用する場合など、ずれたり、脱落しにくいという特徴があります。 「どんな色も自在に出せて、少量多品種の提供ができます」と中小路社長は、ポリエステル綿の可能性を語ります。 「加熱して溶かしたフレークを、たくさんの小さな穴から押し出して原糸をつくる紡糸工程が第1段階。第2段階では、原糸を熱湯に通して引き延ばした後、クリンパーPETボトル編リサイクル探訪 リサイクル探訪 という機械を通して細かい波状にします」と徳武取締役。 「出荷前には、担当者がまさに目を凝らし、神経を集中させて品質をチェックします」と村山課長。良質のポリエステル綿をつくり出すのには、原料となるPETボトルに金属やガラスなどの異物が混入していないことがカギとなります。リサイクルの流れを円滑にするには、消費者がきちんと分別することが欠かせない。あらためて、そのことを気づかされた訪問でした。出荷前の品質チェックおじゃましたのは、栃木県小山市にある小山化学株式会社。PETボトルをフレーク(小片)にリサイクルして、そこからポリエステル綿をつくっています。製造ラインから出てくるのは、コンマ何ミリという細い糸がふわふわに加工された「短繊維」と呼ばれる色鮮やかな綿です。これがPETボトルだったとは思えません。どうやって変身したのでしょう。本社・工場:栃木県小山市設立:1974年(創業1968年)事業内容:合成樹脂・合成繊維の     製造・販売・加工小山化学株式会社おやま右から中小路康治社長、村山伸子課長。徳武信利取締役PETボトルをフレーク(小片)にリサイクルして、そこからポリエステル綿をつくっています。製造ラインから出てくるのは、コンマ何ミリという細い糸がふわふわに加工された「短繊維」と呼ばれる色鮮やかな綿です。これがPETボトルだったとは思えません。どうやって変身したのでしょう。栃木県小山市年(創業1968年)合成樹脂・合成繊維の製造・販売・加工学株式会社右から中小路康治社長、村山伸子課長。徳武信利取締役引取の様子容リ協ニュースNo.75 May 201710

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