日本容器包装リサイクル協会ニュース No.73
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容リ協ニュースNo.73 November 20168GLFILMによる減量化凸版印刷株式会社は、出版・商業印刷はもとより、証券やカード、ディスプレイや半導体、建装材など多様な事業領域を手がける企業です。中でも、パッケージの製造・販売は創業以来携わってきた仕事で、その歴史はなんと100年以上。日本を代表する印刷会社にして包装材メーカーでもある同社の、環境配慮型パッケージ開発に対する考え方やその代表的な製品についてお聞きしました。3Rの広場凸版印刷株式会社は、出版・商業印刷はもとより、証券やカード、ディスプレイや半導体、建装材など多様な事業領域を手がける企業で印刷テクノロジーで環境に優しいパッケージづくりへ凸版印刷株式会社 凸版印刷では、長年にわたり培ってきた印刷技術をベースとした表面加工技術において、非常に高度なレベルのテクノロジーを有しています。同社では、この技術をパッケージ事業でも活用し、食品や飲料、トイレタリー、医療といった幅広い分野にて、プラスチック、紙、段ボール、複合素材などによる多種多様な包装材を開発しています。 近年、同社が手がけた包装材開発の代表格といえば、独自のコーティング技術や蒸着加工技術をもとに生み出した透明バリアフィルム「GLFILM」が挙げられるでしょう。環境を切り口とした包装材開発の提案を業務とする環境ビジネスチーム所属の川田靖さんによると、GLFILMは包装材として有効な特長を数多く備えているといいます。 「その一つめが、水蒸気や酸素などのガス透過をアルミ箔と同様に防ぐ機能です。GLFILMを包装材に使用することで、酸化・吸湿などの各種劣化から製品を守り、保存期間をより長くすることが可能になります。二つめは、地球環境に配慮した点です。旧来使われてきたアルミ箔をGLFILMに高度な印刷技術を包装材開発に活用 「凸版印刷のパッケージ事業では、リデュース、リユース、リサイクルに“リプレイス”を加えた“4R”を環境配慮指針として包装材開発を推進しています」と話す4Rを指針に環境配慮型の包装材開発を推進生活・産業事業本部 事業戦略本部 営業企画部 環境ビジネスチーム山田久子課長(左)、川田靖部長(右)置き換え、アルミレス化することで包装材の構成の合理化による減量は大きなメリットです」(川田さん) GLFILMが使用されている包装材には、1996年に開発されたカートカンがあります。カートカンとは、円筒形の紙製飲料容器で、その内面にバリア性に優れたGLFILMが貼り合わされているため、紙を主原料としながら常温流通での長期保存が行なえます。そのうえ、牛乳パックと同様に、リサイクルすることも可能なのです。 その他にも、お酒用の紙パックやラミネートチューブなど、GLFILMは様々な包装材の材料として幅広く活用されています。現在、食品や医薬品など向けに、国内はもとより約45の国と地域、約15,000点の商品に採用され、透明バリアフィルム市場における世界トップシェア製品となっています。

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