日本容器包装リサイクル協会ニュース No.71
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全国でスーパーマーケットを展開するユニーは、消費者の生活シーンにとても近いところで企業活動を展開しています。そのため、私たちの行なう環境に対する施策は、ダイレクトに消費者へと伝わるという意味で、とても重要なのではないかと思っています。 当社が環境対応に関する取り組みの目標として掲げているのは、持続可能な社会づくりで、容器包装の削減もその一つです。仕入れ時における梱包用の段ボール箱は、ほぼ100%再利用しています。売場では野菜や果物はできるだけバラ売りを、精肉などはトレイを使わずラップで包装するなど、簡易包装を進めています。また、お客さまの家庭で発生する食品トレイやPETボトルなど使用済み容器包装を店頭回収してリサイクルしています。スーパーマーケットならではの取り組みであるレジ袋の削減も1980年代よりいち早く始めました。当初はなかなか進展しなかったレジ袋の削減ですが、市町村や消費者との連携が大きな効果を上げました。店頭にて、役所の職員や自治会の人たちがショッピングに来たお客さまに声をかけ、レジ袋を削減することの意義を説明するとともに、マイバッグでのお買い物スタイルを提案。この結果、2006年に年間3億4千万枚のレジ袋が使用されていましたが、2014年には年間約6千万枚となり82%の削減に成功しています。この経験を通じて、小売業の行なう啓発活動は、お客さまである消費グリーンコンシューマーの育成に向けた消費者への情報発信を考える社会の環境に対する関心の高まりに伴い、事業者では環境に配慮した容器包装や新たなリサイクル技術の開発へと積極的に取り組んでいます。しかし、そうした事業者の努力が一般の人たちの消費行動に影響を与えているかというと、限定的という感は否めません。そこで今回の特集では、商品の購入に当たり、できるだけ環境に配慮したものを選ぶグリーンコンシューマーの育成に向けた情報発信や啓発活動のあり方について熱心に取り組まれている小売業、メーカー、NPOの方々に集まっていただき、現状や今後の課題について話し合っていただきました。座談会座談会の進行を務めさせていただく鬼沢です。今回は、事業者の皆さまが取り組む環境活動、中でも消費者の環境意識を高めるための情報発信や啓発活動について、一消費者の立場で聞かせていただければと思っています。実は2014年に私どもの行なった「環境配慮商品と消費行動の調査」をみると、まだまだグリーンコンシューマーは育っていないと感じています。それでは、初めに皆さまの自己紹介を兼ねて、各社の環境活動の取り組み状況についてお一人ずつお話しください。鬼沢百瀬特集●「環境配慮商品と消費行動の調査」結果概要出展:NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネットグリーン購入を実践している人購入時、使用容器に気をつけている再生資源を使用した商品の積極購入環境配慮商品の値段は気にしない環境配慮商品売り場がない環境配慮商品普及のための情報がない表示があれば購入15~17%16%57%63%85%85%32%鬼沢 良子さん容リ協ニュースNo.71 February 20162

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