日本容器包装リサイクル協会ニュース No.65
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.65 May 20149皆さんご存じの通り、プラスチックは石油からつくられます。日本の年間石油消費量の3%から、約1,000万トンのプラスチックが生産されていて、そのうち容器包装が約200万トンを占めています。 例えば、スーパーに行って陳列棚を見回してみると、プラスチック製の容器包装で売られている商品の多さにあらためて驚かされる人も多いはずです。 なぜ、プラスチック容器包装が60年ほどで私たちの日常生活と切り離すことができないほど使われるようになったのか。その疑問にお答えする前に、まずは容器包装の基本的な役割についてお話しさせてください。久保プラスチック容器包装の伸長容器包装に必要とされる役割とは何か様々な素材の容器包装にもプラスチックが容器包装に使われる一般的なプラスチックの特性として、加熱することで軟らかくなり自由に変形するため、どんな形状にも加工しやすいということがあります。これを専門用語で熱可塑性といいますが、プラスチックのこうした特性により容器包装における使いやすさやデザイン性を徹底的に追求することができます。 そして、軽いということもプラスチックの大きな特長です。軽量であることは、商品の輸送はもちろんのこと、購入した消費者にとってもメリットが高く、プラスチックが容器包装の素材として選ばれる大きな要因となっています。 さらに、透明性や着色性、耐水性、接着性がある点で、製品情報の適切な表示に適したプラスチックは、容器包装の素材として非常に優れたものといえるでしょう。 こうしたプラスチックを容器包装に使用することのメリットから、最近では、缶の内側部分や紙容器包装にも、ラミネート技術によりプラスチックが採用されるようになっています。長谷川 内容物の品質保持機能●内容物の品質保持や製品寿命の延長 使う人への配慮●高齢者や子供などにも使いやすい製品 輸送効率の高さ●効率的に輸送でき、山間部や遠隔地にも届けやすい形状 情報伝達の機能●内容物の製品情報を適切に表示●他の製品との混同や異物の混入を防ぐプラスチックが容器包装としての基本的な役割をより効果的にこなせているのには、素材としての特性が関係しているのでしょうか?わが国でプラスチックが本格的に生産され始めたのは、わずか60年前の1950年代。現在では私たちの暮らしに無くてはならないものになっていると思いますが、いかがでしょうか?ねつかそせい容器包装の役割は、大きく4つあります。1つ目は、内容物の品質保持や製品寿命を延ばすこと。とりわけ中味製品が食品の場合は、安全・衛生面の確保という最も重要な役割を容器包装が担っています。いわば、内容物のガードマンです。2つ目は、輸送のしやすさです。たくさんの量をいっぺんに輸送できる形状であることが求められます。3つ目が、情報伝達です。内容物の製品情報を適切に表示することも、容器包装の大事な役割の一つです。そして4つ目が、使う人への配慮です。高齢者やお子様でもその商品を使いやすく、扱いやすくすることも容器包装の役割です。 こうした役割をより効果的にこなせること。それこそが、容器包装の分野でプラスチックの使用量が急激に伸びてきた要因なのです。久保

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