No.63日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.63 November 201313変更前(留め具)あり変更後(留め具)なしリサイクル番重約12cm削減(約31%軽量化)チャレンジ! 3R パンは生鮮食品と同様に製造から消費までの期間が短いため、元々簡素な容器包装を使用していますが、山崎製パンでは製品の安全衛生を最優先に考慮したうえで、さらに軽量化などの環境配慮に向けた取り組みを行なっています。素材メーカーに対しては、こんな素材がほしいといった要望を日頃からリクエスト。廃棄の際につぶしやすいPET素材やリサイクルPET素材、ゴム系樹脂を練り込んで割れ防止に対応したものなど、多様な新素材を積極的に採用しています。 また、神戸大学の教員、学生が中心となって設立されたNPO法人「ごみじゃぱん」が提唱している“減装ショッピング”の主旨に山崎製パンも賛同。この“減装ショッピング”は、お客さまが容器包装の少ない商品を積極的に選んで購入する買い物行動を普及させることで、家庭ごみの削減や環境負荷の低減を目指している活動です。山崎製パンは、同法人の主催する「減装研究会」にも参加し、2011年には容器包装を簡素化し「減装(へらそう)マーク」を容器包装に直接印刷した商品、「新食感宣言直焼ロール」を発売しました。「新食感宣言直焼ロール」では、クロージャー(留め具)を使用しないものに包装形態を変更することで、包装袋の長さを約12cm短縮。重量も約31%の軽量化を実現しています。 「容器包装の形態には、製品の安全衛生や品質保持のほか利便性の役割もあるため、変更するにはお客さまの理解を得ることが前提となります。『新食感宣言直焼減装(へらそう)マークを自社製品に直接印刷して販売 1997年の容リ法施行以来、容器包装の削減に向けた様々な取り組みを推進してきた山崎製パン。しかし、“もったいないことをなくす”という考え方に基づいた環境を大切にする意識は、創業当時から受け継がれてきたものです。その一つが、当初よりパンの納品に使われてきた「番重」と呼ばれる木製の容器。いわゆる通い箱で、日々回収して繰り返し使用し、ワンウェイ納品によるダンボールなどの発生を抑制できる優れものです。1967年には木製に代わってプラスチック製番重が開発・導入されましたが、こちらは耐用年数が過ぎた後は破砕、再成型し、リサイクル番重として再利用を実現し、プラスチックの原料となる石油資源の有効利用に努めています。 2013年4月からは、長い間、衛生面、機械適性面などでの検証を進めてきた食パンの包装袋の薄肉化にも成功。一つひとつは2ミクロンというわずかな薄肉化ですが、食パンは1年間に数億斤が発売されるものなので、年間200トンを超えるプラスチック資源が削減できる計算になります。 “最高の品質と最善のサービス”をお届することを目標としている山崎製パンですが、家庭ゴミの減量化においても大いなるサポーターと呼べる存在になっています。環境に優しい容器包装を目指し、次なる開発も進行中ロール』は包装形態変更後も、変わらぬご支持をいただいていることから、お客さまに一定の理解を得られたものと考えています。これからも一歩ずつ丁寧に進めていきたい」(岡本さん) これまでに減装マークを印刷した製品を11品発売し、約1,700万個が販売されました。 「減装マークの認知度がたかまり、“減装ショッピング”の普及に少しでもつながればいいですね」と岡本さんは期待しています。環境対策課岡本 邦義さんばんじゅう

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