No.62日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.62 August 201318チャレンジ! 3Rチャレンジ! 3R 一方、ビールの容器として主流になっているアルミ缶についても、パッケージング技術研究所では優れた軽量化の実績を上げています。その一つが、缶蓋の縮径化です。キリンでは、1994年に国内でいち早く小口径アルミ缶を導入。缶の構造上、必然的に最も厚くなる缶蓋の面積を小さくすることなどで、従来品と比べ約29%の軽量化を実現しています。松島さんによると、缶蓋の縮径化に際しては、製造時に缶蓋と缶胴部分を隙間無く接合するための巻き締めと呼ばれる工程をいかに正確に行なえるかが採用のポイントになったとのこと。そのため、実際の生産ラインで何万本もの缶を使い、巻き締め機の調整方法を模索したといいます。そこで得たノウハウは特許申請せず、缶製造メーカーに無償で提供。同業他社によるアルミ缶蓋の縮径化への道を拓いたことで、キリン1社にとどまらない業界全体としての環境負荷の低減を実現しています。 缶ビールに関しては、商品を梱包する段ボールカートンの四隅を切り落とすことで、強度を高めつつ、使用する段ボールの量を削減。角を面にすることで、持ち運びやすさも向上させたコーナーカットカートンをキリンビールの製造するほとんどの缶製品に採用しています。さらに、6缶パックに使用する板紙についても角を落とし、サイズを小さくすることで紙の使用量を削減しています。グループ各社で活用される研究所の開発力 パッケージング技術研究所では、キリンビールだけでなく、キリングループ各社の容器開発も行なっています。キリンビバレッジ社とは共同で、PETボトルにおける軽量化を2003年より開始。簡単につぶせるPETボトルの先駆けである「ペコロジーボトル」2Lタイプを、2003年には62gから42gへ、そして2010年には35gのNEWペコロジーボトルを開発しています。さらに最近では、メルシャン社とともにワインのためのPETボトルを新開発。これには、パッケージング技術研究所が独自に開発した新技術、酸素の透化を防止できるDLCボトルが使われています。 グループ一丸となって環境負荷軽減に取り組むキリンにとって、パッケージング技術研究所が果たす役割は、今後ますます拡大するはず。グループ内における容器開発の中心として、さらなる新容器・技術の開発に期待がかかります。缶蓋の縮径化「ペコロジーボトル」約%29軽量化約%45軽量化約CO2年間t減400約%7軽量化コーナーカットカートンワインのためのPETボトル6缶パック030405060708090100%年88878685198489909192939495969798990001020304050607080910112012軽量びん導入開始ペコロジーボトル206径化204径化コーナーカットカートンゲージダウン軽量化の推移リターナブル大びん(633㎖)缶(350㎖)カートン(350㎖用)PETボトル(水2ℓ用)NEWペコロジーボトル

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