No.62日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.62 August 201317約g30軽量化旧びん軽量びん約%21軽量化チャレンジ! 3R パッケージング技術研究所における環境にやさしい容器開発を代表するものといえば、やはり1993年に導入されたビールの軽量リターナブル大びんをはずすことはできません。びんの外表面に薄さ約0.1マイクロメートル(マイクロメートル=1/1000ミリメートル)のセラミックコーティングを施すことで、強度を確保しながらもガラスの肉厚は薄くできる技術を確立。これにより、従来の大びんと比べて約21%の軽量化が可能となり、国内最軽量を実現しました。 「1本につき約130g軽くなったのですが、ビールびんの場合、20本入りのケースで運搬するため、1ケース当たりでは2.6kgもの減量となりました。運搬作業がとても楽になったと酒屋さんからは大変喜ばれましたね」と松島さん。軽量化によりトラック1台当たりの積載可能数量が増え、運送効率も格段に向上したといいます。キリンビールでは、この軽量びんを2011年までに4.28億本投入。原材料で約5.5万t、CO2排出量で約5.7万tを削減することに成功しています。 こうした軽量化をいち早く実現できた背景には、競合3社のビールメーカーがびんを共有しているのに対し「GRAND KIRIN』パイロットラインで新タイプ、新機能容器の開発を行なっていますて、キリンでは専用びんを使用していることが大きいといいます。 「共有びんの場合だと、軽量化に際して全社の合意形成をする必要が生じます。その点、キリンは専用びんを用いていたため、自ら満足のいく軽量化を実現することができました。もし、キリンビールも共有びんを使っていたなら、この軽量化は不可能だったかもしれません」(松島さん) さらに、2012年には330㎖ワンウェイびんを用いたビール「GRAND KIRIN」でも、国内最軽量を更新しています。それまで国内最軽量だった同社の330㎖ワンウェイびんの重量、170gから約2割軽減し、140gを実現。これにより、1本当たりの原材料を30g削減できるとともに、従来びんに比べて製造時のCO2排出量も23g削減可能になりました。 軽量化に当たっては、びんの内側を削るという通常のガラスびん成形では考えられない技術を開発。びん製造メーカーからも驚かれたこの技術の開発には、長年にわたって自社でびんを製造してきた経験と知識が活かされています。 コンビニエンスストアの冷蔵庫にびんビールを並べたいとの思いから製品開発が始まった「GRAND KIRIN」。その胴径と高さを500㎖缶と同様に揃えることで、陳列時の利便性を追求。さらに、口径を広めにとることで口当たりが良く、こだわりの香りが広がるように設計したことが功を奏し、コンビニエンスストアでも売上げ上々とか。また、2012年にはグッドデザイン賞、2013年にはガラスびんアワードにて機能優秀賞を受賞するなど、パッケージング技術研究所の誇る新容器として各方面で高い人気と評価を獲得しています。蓄積した技術を駆使し、国内最軽量を実現

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