No.62日本容器包装リサイクル協会ニュース
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日本容器包装リサイクル協会ニュースNo.62 August 201316国内最軽量を次々とチャレンジ! 3Rキリン株式会社 キリンには、一般的な飲料メーカーではあまり見られない、ある開発部門が存在します。その名も「パッケージング技術研究所」。ビールや清涼飲料など、グループ会社商品に使用する容器の開発などを行なう専門部署です。パッケージング技術研究所ではこれまでに、リターナブル大びんの軽量化や缶ビールの蓋の縮径化などを実現。人と環境にやさしいパッケージ開発で、業界を牽引してきました。 通常、飲料メーカーでは、コスト面を考慮して容器を自社で製造していないため、こうした組織を独立して設置しているケースはほとんど無いといいます。その点、同社には大正から昭和にかけて、ビールびんを自ら製造していた歴史がありました。海外から自動製びん機を導入し、国内でビールびんを大量生産し始めたのはキリンがパイオニア。つまり、同社は長く飲料メーカーであったと同時に容器メーカーでもあったため、容器の品質を高めるべく研究開発が進められたのです。 しかし、キリンでも現在では、グループ会社のキリンビバレッジが一部のPETボトルを自社製造しているものの、その他は容器メーカーから調達しています。容器の製造を行なわなくなった今でも、なぜ同社では容器開発の研究を継続しているのか。そこには大きく2つの理由があると、パッケージング技術研究所の所長、松島康之さんは語ります。 「その一つは、容器のコストを下げるためです。私たちは、中身で勝負する飲料メーカーであり、お客さまに容器を提供しているわけではありません。だからこそ容器については、できるだけ素材の使用量を減らして軽量化我が国における総合飲料メーカーの雄、キリン株式会社では、商品である中身はもとより容器に関しても自社で開発。軽量化などを通して、地球環境に対する負荷低減に努めています。その中心となって活躍する「パッケージング技術研究所」の所長、松島康之さんに、同社の容器づくりに対するポリシーやご苦労、これまでの研究実績などについてお聞きしました。事業者による3Rの取り組み事例松島 康之さん「パッケージング技術研究所」の皆さんし、コストを抑えることが重要だと考えます。また、こうした取り組みは、資源と製造に用いるエネルギーを節約でき、環境負荷の少ない容器づくりにもつながっています」 松島さんが挙げたもう一つの理由は、容器の品質に関することでした。自社の製品には自ら責任を持つという同社のポリシーのもと、パッケージング技術研究所では容器開発で培ったノウハウをパッケージングに必要な生産技術や設備開発、品質評価の支援に役立てています。それを可能にしているのが、研究所内に備えられたパイロットラインです。ビールをガラスびんやアルミ缶に充填する機械、びんにラベルを貼り付ける機械など、その充実した設備はまるで小規模の工場のよう。この施設を利用して、パッケージング工程における課題を解決したり、新容器の強度測定や開封性などの評価を実施。新容器の品質保証をより確実なものにしています。「やさしい」をキーワードに多様な軽量容器を自社開発

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